
2024年1月2日、マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大学キャンパスで、ジョン・ハーバード像(左)の近くで写真を撮る人々。(AP通信/スティーブン・センネ撮影)
By Sean Salai – The Washington Times – Friday, October 2, 2026
ハーバード大学が「意見の多様性」を確保するため、保守派の教員を採用する資金として1000万㌦(約15億8500万円)の寄付を募っていることに対し、学者や人種的公平性を訴える活動家から反発が起きている。
アラン・M・ガーバー学長とジョン・F・マニング学務担当副学長は4月、同大学の既存の学部・学科に20から30の新たな教授職を設けるため、数億㌦を集める方針を発表した。
学生が発行するハーバード・クリムゾンは先月、調査対象となった教員の47%がこの計画に反対し、賛成したのは31%にとどまったと報じた。教員の約69%は自身を「ややリベラル」または「非常にリベラル」と回答しており、昨年の同じ調査での63%から増加していた。
学内の報道や学外の分析では、このキャンペーンは、同大学におけるリベラル偏重を調査し、2025年4月に連邦政府からの22億㌦(約3487億円)の資金を打ち切ったトランプ政権への対応と広く受け止められている。
大学側にコメントを求めたが、回答はなかった。
学部生が発行する保守系雑誌「ハーバード・サリエント」は先月、マサチューセッツ州にある同大学が、人種別の卒業式典への支援を中止し、多様性・公平性・包摂性担当部署の名称を「コミュニティー・アンド・キャンパス・ライフ」に変更したと報じた。
ハーバード大学の政府学名誉教授ハーベイ・マンスフィールド氏は、同大学で「保守派のためのアファーマティブ・アクション」と自身が呼ぶ措置を長年訴えてきた。
同氏は9月17日、ハーバード・ロースクールで保守寄りの弁護士らを前に講演し、「これが実現するまで、教員に対して一定の強制力を働かせる必要がある」と述べた。
トランプ大統領についてマンスフィールド氏は、「彼の介入がなければ、特に大学から巨額の資金剥奪がなければ大学は変わらなかっただろうと思う」と語った。これは9月25日付けのサリエントの記事によるものだ。
長年、学内で右派の論客として物議を醸してきたマンスフィールド氏は、ハーバード大学のアフリカ及びアフリカ系米国人の研究学科には、黒人の保守派教員が一人もいないと指摘した。
ワシントン・タイムズの取材に応じたハーバード大学の元教員や卒業生の中には、同大学における思想的な偏りを認める一方、保守派のための教授職を設けるという大学側の計画には反対する人もいた。
政治学者でハーバード大学の元客員研究員でもあるダニエル・シャッツ氏は、「答えは党派的な割り当てではない。真に幅広い見解を持つ優秀な研究者を採用し、知的な開放性を確保するという信頼できる約束こそが必要だ」と述べた。
大学進学カウンセリング会社・クリムゾン・コーチングの創設者兼社長で、1993年にハーバード大学を卒業したドミニク・パドゥラーノ氏は、当時の大学は「リベラル派のコミュニティー」で、社会主義者の教授もいたと振り返る。しかし、自由な議論が行われる雰囲気があったため、「保守派の声」が封じられることはなかったという。
パドゥラーノ氏は「仮に(保守派の声を封じることが)起きているとしても、保守派の教員を採用することが、どうしてそれに対抗する力になるのか。そうした採用は、意見の多様性を育むどころか、むしろ阻害する可能性があるのではないか」と語った。同氏は現在、SUNYエンパイア・ステート大学で歴史学の非常勤教授を務めている。
一方、人種問題を研究する学者の中には、保守派教授職への寄付を募る動きに反対するだけでなく、そもそもハーバード大学をリベラルと呼ぶこと自体に異議を唱える人もいる。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で人種的公平性を専門とする教育学教授タイロン・ハワード氏は「ハーバードで多くの黒人学生や教員、職員が受けている攻撃を考えれば、同校が進歩主義政治の牙城だと考えるのは、少し空虚な話に思える」と述べた。
同氏は「ハーバードにおける人種を巡る問題は依然として存在している。より多くの保守的な意見を採用しようとする取り組みは、有色人種の人々を苦しめてきた長年の問題をさらに助長するだけだ」と語った。

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