ウクライナ、「スターシールド」の利用制限は継続 トランプ氏の主張と食い違い

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(CNN) トランプ米大統領は22日、実業家イーロン・マスク氏がウクライナによる衛星インターネットサービス「スターリンク」の軍事用サービスへのアクセスを復旧させたと明らかにしたものの、ウクライナの当局者によれば利用制限は今も続いている。ウクライナ政府の軍事行動に支障が出ている状況だという。

事情に詳しい関係者がCNNに明かしたところによれば、トランプ氏はマスク氏との電話で、ウクライナによる衛星通信システム「スターシールド」へのアクセスの全面再開を求めた。トランプ氏はウクライナの当局者から障害の報告があった後、通信速度の低下について情報を集めていたが、スターリンクとスターシールドを傘下に持つ米スペースXのオーナーであるマスク氏に直接掛け合った。

トランプ氏は電話でのやり取りについて公式にはコメントを控え、ホワイトハウスで記者団に「電話をしたのが私なのか他の誰かなのかは、どうでもいい。肝心なのは、マスク氏が元に戻したということだ」と述べるにとどめた。

しかしウクライナの当局者によれば、制限は今も残る。

在米ウクライナ大使館のデニス・シエニク臨時代理大使は23日夜、CNNに対し、「残念ながら状況は変わっていない。制限は今も課されたままだ」と説明。ウクライナには「相反する情報」が寄せられていると言い添えた。

トランプ氏は23日、解決しなければマスク氏と話をすると記者団に述べ、ウクライナがスターシールドを利用できるよう「問題を解消する」考えを示した。

ウクライナの当局者の話では、制限によってもう1週間以上、高速で移動する兵器の運用に支障が出ている。ロシア軍の攻撃を防ぐ迎撃ドローン(無人機)の活動が妨げられ、前線の多くの場所でウクライナ軍の作戦に混乱が生じている。

シエニク氏はワシントンに駐在するウクライナの外交官で最高位。現在はドローンが時速160キロに達すると通信が途切れる状況で、高速飛行するロシア軍のドローンの迎撃が難しくなっているという。

ロシア軍は飛行速度が時速約480キロを超えるジェット推進式ドローンを投入している。「このため破壊がさらに広がり、ウクライナ人の命が奪われている」とシエニク氏は訴える。

ウクライナのゼレンスキー大統領は現地時間23日午後、速度制限が解除されることへの期待を口にした。

ウクライナ軍の将校はCNNに対し、「速度制限があるのは間違いない。少なくとも私が現場で見る限り、現時点では何も変わっていない」「そのため連携が難しくなっている。10~15秒間ほど通信が途切れることもある」と明かした。

ウクライナ国家警察の要員がスターリンクの衛星通信端末から迷彩柄のカバーを取り外す様子=16日/Dmytro Smolienko/Ukrinform/Future Publishing/Getty Images
ウクライナ国家警察の要員がスターリンクの衛星通信端末から迷彩柄のカバーを取り外す様子=16日/Dmytro Smolienko/Ukrinform/Future Publishing/Getty Images

この将校は「普段の損耗をはるかに超える量の兵器を失った」と説明。制限の影響は偵察用ドローンや、スターリンクを組み込んだシステムを搭載するドローンにも及んでいると語った。

トランプ氏や一部の政権幹部は、ウクライナによるスターシールドの利用を制限する決定を下したことを否定する一方、実際に何が起きたのかをはっきり説明していない。トランプ氏は今週、自身は関与していないと発言していた。

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