(CNN) 米ニューヨーク近郊を流れるハドソン川に昨年ヘリコプターが墜落し、5人家族とパイロット1人が死亡した事故で、事故機は雁(がん)の群れに衝突していたことが分かった。米国家運輸安全委員会(NTSB)が16日に公表した一連の調査報告で明らかになった。
墜落したのは、ニューヨークのヘリコプター会社が運航するベル206L-4型機。昨年4月11日にマンハッタン南部から離陸し、自由の女神像の周りを旋回した後、ハドソン川沿いを北へ向かった。南へ引き返した後、ニュージャージー州の沿岸付近に差し掛かったところで空中分解し、きりもみ状態で水上に墜落した。
米スミソニアン協会の研究所による調査の結果、「コクガンとカナダガンの混成の群れが回転翼のブレード」や機体後部に衝突したことが判明。さらに「機体尾部から飛散した破片がオオカモメに衝突した。その衝撃で鳥の体はばらばらになり、ちぎれた羽がヘリコプターの残骸とともに屋上に落下した」と突き止めた。
スミソニアン協会は米首都ワシントンにある国立博物館で名高いが、航空機と衝突した鳥の遺骸を特定して調査当局を支援する活動も行っている。こうした鳥の遺骸は「スナージ」と呼ばれる。
NTSBの2000ページを超える調査資料では、墜落原因について明記していない。最終報告書で結論が示される見通しで、NTSBはCNNに対し、年内に公表される「可能性が高い」と説明した。
報告書内の調査官の記述によれば、近くの集合住宅にいた男性が、「レンガのように落下」して水上に墜落するヘリを目撃した。男性の記憶では「数百羽の鳥」が周辺を飛んでいたが、どのくらいの高度を飛んでいたかは思い出せなかったという。
事故では子ども3人とその両親らが犠牲になった。両親はともにドイツの世界的テクノロジー複合企業(コングロマリット)、シーメンスに勤務していた。パイロットも死亡した。
連邦航空局(FAA)の野生生物衝突データベースには昨年、航空機と動物が衝突した事故が2万4000件以上報告された。そのうち1000件以上はニューヨーク州とニュージャージー州で発生したことが確認されている。
ハドソン川は航空機と鳥の衝突による有名な不時着事故、「ハドソン川の奇跡」の舞台にもなった。2009年に起きたこの事故では、USエアウェイズ1549便がラガーディア空港を離陸直後、カナダガンとの衝突で両エンジンが停止する事態に見舞われたものの、チェズレイ・サレンバーガー機長は機体をハドソン川に無事着水させた。

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