着るだけで疲労回復を促す機能性衣料「リカバリーウェア」の市場が活況だ。日本能率協会総合研究所(MDB)の推計によると、国内の市場規模は2024年の189億円から、2030年には1700億円へと約9倍に成長を遂げる見通しだ。
リカバリーウェアとは、特殊な鉱物やセラミックスを施した機能性衣料である。休養・睡眠時に着用することで体温を遠赤外線として輻射し、血行促進や疲労回復をサポートする。
かつては品質基準に曖昧さが指摘されていたリカバリーウェアだが、2022年に厚生労働省が薬機法に基づく品目として「家庭用遠赤外線血行促進用衣」を追加したことで、科学的根拠を示した効能表示が可能となり、企業の市場参入が相次いでいる。
他社よりも安く。リカバリーウェアを「毎日着替える日常着」に

PPIH提供
この市場の活況を受け、ドン・キホーテが7月22日に発売するプライベートブランド(PB)「情熱価格」の「ド回復ウェア」が話題を集めている。
価格はインナー類の半袖が1099円、長袖やスパッツ(レギンス)が1429円。ルームウェアの長袖Tシャツやロングパンツが2199円(いずれも税込)。主要なインナー商品を中心に、先行するワークマンの1900円前後のラインナップを下回る価格帯を実現した。
ギフト需要や一部のミドル層向けだった従来の高級路線に対し、今回の狙いは「毎日着替える日常着」としての定着だ。1000円台という低価格であれば、洗い替えも含めた「まとめ買い」や「リピート購入」もしやすい。深夜営業というドン・キホーテ独自の利便性も加わり、今後の市場シェア拡大に注目が集まりそうだ。
PPIHの好決算とPB開発への積極投資
このような強気な価格攻勢を支える背景には、同社の決算でも示しているような増収増益基調の経営体力と、PB開発への積極的な投資姿勢があるとみられる。
PPIHの「2026年6月期・第3四半期(7〜3月)連結決算」は、売上高1兆8265億円、純利益939億円と大幅な増収増益を達成。さらに、上期の好調な進捗を受けて通期の業績予想を売上高2兆4350億円、営業利益1740億円へと上方修正している。
物価高の中で「情熱価格」をはじめとする高粗利なPB商品の売上比率が伸びており、この好調な業績と潤沢な資金力が、新たなジャンルへ積極投資する原動力となっている。

Trading View提供
PPIHの株価は、2026年3月に年初来高値となる1067円を記録し、足元では800円台で推移している。過去最高益を見込む通期業績予想や国内外でのシェア拡大への期待を背景に、市場からは底堅い推移として捉えられている。
※本記事は、事例として取り上げた金融商品の売買を勧めるものではありません。本記事に記載した情報によって読者に発生した損害や損失に関しては、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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