
ウクライナ戦争では、小型ドローンが戦況に大きな影響を与える場面が増え、従来の軍事戦略や防衛体制の見直しが進んでいます。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、ドローンが戦争のあり方をどのように変えつつあるのかを整理するとともに、日本の技術力や防衛産業が果たし得る役割について考察しています。
ドローンが変える戦争と日本の役割
ウクライナ軍が6月18日、モスクワに対して大規模なドローン攻撃を実施し石油施設に打撃を与えました。
ロシアの首都を防衛するために配備された3層の防空網を突破したといいます。2022年の開戦以来、モスクワに対するものとしては最大規模の攻撃とみられています。
結果、ドローンへの注目が高まっています。
それでご紹介するのはNYタイムスの7月2日の記事。
欧州にもロシア製と思われるドローンが飛来しているという内容です。
記事抜粋
「NATO施設上空でのドローン飛行が欧州の脆弱性を露呈、専門家が指摘」
新たな研究によると、軍事施設付近での頻繁なドローン侵入は、防衛体制を探り情報を収集しようとするロシアの作戦の一環であるという。
ドローンはフランスの原子力空母に飛来している。デンマークのコエゲ港上空では、軍事展開に利用される同港の上空で20機のドローンが機動している。
ドローンは欧州諸国に国防に関する考え方の転換を迫っている。
ロンドンに拠点を置く国際戦略研究所(IISS)が木曜日に発表した新たな報告書によると、2024年8月から2026年2月にかけて、欧州の十数カ国上空で不審なドローンによる事案が144件発生した。
報告書は、ロシアが北海およびバルト海に船舶を配置し、そこからドローンを発射させることで、欧州空域でドローン作戦を展開した可能性が「極めて高い」と記している。
欧州側の課題は多い。軍には、平時にドローンを撃墜する法的権限が欠けている場合が多い。
たとえ権限があったとしても、落下する破片による民間人の負傷、あるいは死亡のリスクは、平時にある国にとっては容認できないものかもしれない。
NATO領土に対する同様の攻撃について、専門家は「十分に起こり得る事態であり、我々は準備ができていない」と述べた。
欧州連合(EU)は、バルト三国、ポーランド、ルーマニアなどでロシアのドローンから防衛するため、東部戦線を強化する「ドローン・ウォール」計画の策定に取り組んでいる。
これにはレーダー、音響センサー、電子妨害システムが含まれる。
しかし、これまでのところ、この構想への支持は限定的だ。
解説
今回のロシアの油田施設へのウクライナのドローン攻撃は、ある種のパラダイムシフトを明示しました。
かつてドイツや日本も大艦巨砲主義で、戦艦を中心に据え、大口径主砲と厚い装甲を持つ艦隊で敵を圧倒する戦略をもっていました。しかし、航空機の登場により戦艦の優位性は急速に失われました。
同じことが今、起こっています。ドローンが戦争を変えているのです。
時を同じくして、日本も武器輸出が可能になりつつあります。
レーダー、音響センサー、電子妨害システムを組み合わせた「ドローン・ウォール・システム」などは、まさに日本の高度な技術とサプライチェーンを活かす分野でしょう。
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