(CNN) トランプ米大統領と妻メラニア氏の支持者らが、先週末に公開されたドキュメンタリー映画「メラニア」を異例のヒット作に押し上げている。
この作品は公開後最初の週末におよそ700万ドル(約10億円)の興行収入を上げる見通しで、チケットの売れ行きは米国でおなじみの共和党・民主党の政治的分断を反映している。
「メラニア」は過去10年のドキュメンタリー映画として最高の成績を収めると予測され、メラニア氏はその成果をX(旧ツイッター)で吹聴した。
もっとも、「メラニア」は他のドキュメンタリーと異なるマーケティング戦略が展開されており、バスの車体広告から劇場での記念ポップコーン容器まで用意されている。
財務的な基準でいえば、少なくとも現時点では成功とは言えない。製作費を出したアマゾンMGMスタジオは損益分岐点に達するまでの長い途上にある。
アマゾンは「メラニア」の権利に4000万ドルを支払い、3500万ドルをマーケティングに投じた。ドキュメンタリーとしては驚異的な金額で、エンタメ誌「ハリウッド・リポーター」は同分野で史上「最も高額な」作品だと評した。
この法外な支出をめぐり、アマゾンの競合の間では、同スタジオがファーストレディーに数百万ドルを支払うことでトランプ政権に取り入ろうとしているのではないかとの臆測が広がった。
米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、「ファーストレディーの取り分は4000万ドルの70%以上」、つまり少なくとも2800万ドルに上る。
アマゾンは、この作品に携わった理由は顧客が気に入ると考えたという一点のみだと主張している。
観客は実際にそれを気に入ったと語っている。業界標準の調査シネマスコアで同作はA評価を獲得した。
このA評価は、批評家の総意とは著しく対照的だ。試写の機会を与えられなかったプロの評論家らは、「メラニア」を退屈なインフォマーシャル(長尺のテレビCM)だとこきおろしている。映画レビューサイト「ロッテン・トマト」では1日午前の時点で肯定的なレビューは11%にとどまっている。
ニュースサイト「ザ・ブルワーク」のカルチャー編集者ソニー・バンチ氏は、「これほど純粋で露骨な利権とプロパガンダの道具が、喜んでそれを受け入れる観客に大きな効果を発揮しているのを見るのは興味深い」と評した。
アマゾンMGMは、この映画が全米、特に共和党の地盤で観客を引きつけると正確に見積もっていた。
映画に対する評価は予想通り党派によって二分した。トランプ氏を批判する人々は、リベラルな大都市でガラガラの劇場の写真を共有し「メラニア」を揶揄(やゆ)。トランプ支持者は保守的な郊外でみられたグループ鑑賞の様子を投稿した。
公開初週末の成績は、業界予測を上回った。700万ドルは週末の興収で全体の3位につけている。
アマゾンの動機に対する疑念は、作品の劇場公開が終わった後も尾を引くだろう。
米紙ニューヨーク・タイムズの記者は、先月29日に行われた試写で、トランプ大統領にこの点を尋ねた。
「アマゾンはこの映画の製作とマーケティングに7500万ドルを投じた。法外な金額だ。多くの米国人は、これはジェフ・ベゾス氏があなたに取り入ろうとしているのではないかと考えている。そしてこれを企業による汚職行為とみなすだろう」と、記者は述べた。
トランプ氏は「どこの記者だ」と割り込み、同紙を批判したうえで「私は関与していない。妻との間で行われたことだ」と話題をかわした。
一方、ヘグセス国防長官は2日、フロリダ州ケープカナベラルを訪れ、ベゾス氏が率いる宇宙企業ブルーオリジンを視察予定だと報じられている。同社は先週、月探査を控えた航空宇宙局(NASA)との契約に注力するため、宇宙観光を一時停止すると発表していた。

2 ヶ月前
9








English (US) ·
Japanese (JP) ·