(CNN) トランプ米大統領の資産が2期目就任以降急増している。新たな資産報告書では、同氏がフロリダ州に所有する二つの主要リゾートでも記録的に収入が増加したことが明らかになった。この事実はトランプ氏の個人ビジネスと大統領職がいかに重なり合っているかを鮮明に示している。
トランプ氏は昨年初め以降、会員制クラブ「マール・ア・ラーゴ」とゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」を20回以上訪れており、資金集めの夕食会を開いたり、外国の要人をもてなしたり、共和党の行事を受け入れたりしてきた。業界のトップや政治団体もこぞってイベント開催の予約を取り付けている。
トランプ氏は再選直前、マール・ア・ラーゴの会員入会費を100万ドル(約1億6000万円)に引き上げ、収入を大幅に増やした。同クラブの事情に詳しい人々によれば、このリゾートは大統領とその場で会話を交わすのに適した場所だ。トランプ氏はパティオ(中庭)で夕食を取ることが多いという。
一部の倫理専門家は、政治と利益が重なり合う状況について、特別な利害を持つ人々がトランプ氏に直接つながるあからさまな機会だと評した。
「人々がマール・ア・ラーゴを訪れるのは、大統領の近くにいたいからだ」と、消費者権利団体パブリック・シチズンの共同会長、ロバート・ワイスマン氏は指摘する。「大統領の耳元でささやくことには非常に大きな価値がある。それは入会のために支払う金額を上回る」
ホワイトハウスのケリー報道官は声明で、「大統領も家族も利益相反に関わったことは一度もなく、今後も決して関わらない」としたうえで、「トランプ大統領と政権によるすべての行動は、米国民の最善の利益のために行われている」と主張した。トランプ氏は大統領職に復帰するにあたって、自身の名を冠した会社の経営には関与しないと誓約。1期目と同様、資産を子どもたちが管理する信託に入れた。
政府倫理局が30日に公表した年次報告書によれば、トランプ氏の個人資産は在任中に膨れ上がった。こうした傾向はこれまでのどの大統領にもみられない。フロリダ州のリゾートから得る収入は大幅に増え、マール・ア・ラーゴからは7750万ドル近くを得た。この額は前年を50%超上回り、2020年の3倍に達する。
収益性の高い新たな暗号資産(仮想通貨)事業からの収入は14億ドルを超え、リゾート収入を上回っていることも示されている。こうした事業には自身の名を冠したミームコインや、同氏の息子らが共同創業した企業ワールド・リバティー・ファイナンシャルが含まれる。
合計すると、トランプ氏が昨年報告した暗号資産収入は、ゴルフクラブ、ホテル、リゾートの一大帝国から得た収入のおよそ3倍だった。
トランプ氏はさらに、ライセンス契約による6000万ドル近い収入も報告している。これはベトナムやインドなどでホテルやゴルフコース、タワーなどの不動産開発を手がける外国の不動産会社が「トランプ」の名称を使用するために締結しているものだ。
トランプ氏は1日、記者団に対し、昨年の思わぬ利益は株式市場の上昇が一因だとし、多くの人々にとっても良いことだったと示唆した。
「私が利益を得ている理由が分かるか。株式市場が上がっているからだ。誰もが利益を得ている」とトランプ氏は述べたうえで、「私は資金を運用している人たちとは一切話をしない」と付け加えた。
トランプ氏が自身の主たる住居と宣言しているマール・ア・ラーゴでは、近年、会員の顔ぶれが変化している。クラブの内情に詳しい人々によれば、トランプ氏や政権とのビジネス上のつながりを求める会員が増えているという。
トランプ氏が大統領職に復帰して以降、同氏所有の多くの施設は、共和党の資金調達イベントの会場にもなっている。トップが姿を見せるかもしれないという期待は魅力に映る。
連邦政府の案件を手がける一部企業も、そこでイベントを開いている。垂直飛行技術を開発し、バイデン政権時代にいくつかの小規模な連邦契約を獲得したXTIエアロスペースは25年11月にマール・ア・ラーゴで夕食会を主催。英紙フィナンシャル・タイムズによれば、製薬大手ファイザーの経営陣は、トランプ氏が2度目の就任宣誓を行う直前の同年1月にやはりマール・ア・ラーゴで社外会議を開いた。
トランプ氏は、より収益性の高い新たな暗号資産事業を宣伝するためにも自身のクラブを利用している。今年4月には、ミームコイン「トランプ」の上位保有者を招待してマール・ア・ラーゴで夕食会を主催した。

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