
この記事の要点
- タイ初の仮想通貨決済アプリ「WORPT」を提供開始
- テザー・Visaも参画、11月にカード決済も追加予定
観光客の仮想通貨をバーツに、タイ初のアプリ
タイの仮想通貨交換業者Waan Exchange(ワーンエクスチェンジ)と電子決済事業者Wipay(ワイペイ)は2026年10月26日、外国人観光客が仮想通貨をタイバーツに変換して支払える決済アプリ「WORPT(ウォープト)」の提供を開始したと発表しました。
WORPTは、タイ証券取引委員会(SEC)の「Tourist DigiPay規制サンドボックス」のもとで初めて提供を開始したアプリとされ、外国人観光客が保有する仮想通貨を国内での買い物やサービスの支払いに利用できるようになります。
利用者は米ドル連動型ステーブルコインのUSDT(テザー)やUSDC(USDコイン)をタイバーツに変換し、国内の加盟店で「Thai QR PromptPay」を通じて決済する仕組みとなっています。
加盟店側は仮想通貨を直接取り扱う必要がなく、既存の決済インフラを通じてタイバーツで代金を受け取れるため、従来の店舗決済網をそのまま利用できるとしています。
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WORPTにテザー・Visa参画、カード決済も
USDT・USDC対応、大手が参画
WORPTは仮想通貨交換業者のWaan Exchange(Waanx)と電子決済事業者のWipayが共同開発したサービスで、前者がデジタル資産のタイバーツへの変換、後者が決済処理を担っています。
発表によれば、事業にはUSDT発行元のTether(テザー)、タイ商業施設大手のThe Mall Group(ザ・モール・グループ)、決済大手Visa(ビザ)も参画しています。
取り扱うデジタル資産は現在、Tetherが発行するUSDTとCircleが発行するUSDCの2銘柄で、いずれも米ドルに連動するステーブルコインとなっており、運営側は今後、対象資産を拡大する方針です。
Visaプリペイドカード、11月中旬に提供へ
WORPTはQR決済に加え、物理的なVisaプリペイドカードを2026年11月中旬、バーチャルカードを2027年初頭に提供する計画を明らかにしています。
カードの提供開始後は、Thai QR PromptPayとVisaカードの双方で共通のタイバーツ残高から支払えるようになり、QR決済に加えてカードによる支払いにも対応する見通しです。
共同創業者のパヴィン・ジッティウォンサマーン氏は「デジタル資産の変換から商品・サービスの支払いまでを一体化することに注力した」と説明し、仮想通貨を実際の消費に結びつける方針を示しました。
規制サンドボックス参加、KYC・AML準拠
こうした決済サービスの提供にあたり、Waanxはタイ証券取引委員会(SEC)からデジタル資産交換業者・ブローカーの認可を取得しており、Wipayもタイランド銀行(BOT)から電子マネー事業者として認可を受けています。
両社は、タイSECが2025年8月に発表した外国人観光客向け規制サンドボックス「Tourist DigiPay」に参加しており、同制度のもとでWORPTを運営しています。
サンドボックスの参加要件には本人確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)などが含まれ、両社にはこれらの規制への準拠が求められています。
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仮想通貨決済を「禁止」から「変換型」へ
タイSECは2022年3月23日に仮想通貨決済に関する規制を発表し、同年4月1日からデジタル資産事業者による商品・サービスの決済への利用支援や促進を禁止しました。
その後、タイは2025年8月に外国人観光客向けの仮想通貨決済制度「Tourist DigiPay」を発表し、仮想通貨をタイバーツに変換したうえで既存の決済インフラを利用する方式を採用するなど、規制の枠組みを維持しながら観光分野での利用を認める方向へ転換しています。
こうした制度のもとでWORPTが提供を開始し、2026年11月にはThe Mall Groupやテザーの幹部らが参加する公式ローンチイベントも予定されており、タイの仮想通貨決済政策は規制サンドボックスを通じた実用化へと進んでいます。
Source:WORPT発表
サムネイル:AIによる生成画像

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