(CNN) 普段人々から忌み嫌われることの多いゴキブリが、インドのZ世代の間で反体制運動のシンボルとなっている。経済的に厳しい立場にある若年層が、意表を突いたイメージ戦略で既得権益層に反旗を翻した形だ。
この新たな運動を主導するのが、その名も「ゴキブリ人民党」。現与党のインド人民党(BJP)を皮肉った党名だが、同党は1週間足らずでインスタグラムのフォロワーを1900万人以上獲得した。これは政府のフォロワー数のほぼ2倍に相当する。
党誕生のきっかけとなったのは、スリア・カント最高裁判所長官の発言だ。同長官は、国内にいる失業中の若者を「ゴキブリ」呼ばわりしたと広く受け止められている。
「ゴキブリのような若者たちがいる。彼らは何の仕事にも就かない。働く場所がどこにもない」。カント氏は15日の法廷審理でそう述べていた。
後にカント氏は真意を説明。実際は偽の学位を使って特定の職業に就いた人々について話していたと主張したが、既に手遅れだった。14億人の人口を抱えるインドでは、若年層の失業問題が常態化している。
発言がネットで大炎上する中、Z世代は侮辱の内容をそのまま誇りの象徴へと転じる作戦に出た。今やAI(人工知能)で生成されたゴキブリ人民党のマスコットのゴキブリは、ソーシャルメディアのフィードやニュースチャンネル、新聞各紙を埋め尽くしている。
正式な政党でこそないものの、ゴキブリ人民党は若さと活気に満ちたフォーラムとしての役割を果たしている。そこでは若年層の高失業率への批判に加え、彼らが政治の機能不全や汚職と見なすものに対する不満が声高に叫ばれる。
「彼らは国が抱える問題を提起している」。首都デリー出身の学生、アムリタ・シンさん(21)はそう語る。
「(ゴキブリ人民党は)風刺から始まったと思うけれど、その方向性は本当に気に入っている」と、ファーストネームのみ名前を明かした別の学生、スリスティさんは話した。「若者には自分たちの要求を掲げられる場が必要だ。なぜならほとんどの政党は、どういうわけか本当に重要な問題を見誤っているから」
CNNは与党のBJPにコメントを求めた。

6 時間前
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