クラリティ法案停滞「SEC独自のルールを出す用意」アトキンス委員長が意欲

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この記事の要点

  • SEC委員長、法案停滞でも独自の仮想通貨ルール整備へ意欲
  • 上院採決の日程は未定、倫理条文でなお与野党対立
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「法案なくても規則は出せる」

SEC(米証券取引委員会)のポール・アトキンス委員長は2026年7月27日、CNBCの番組で、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」の成立が遅れた場合でも、SECが独自に市場ルールを整備する用意があるとの考えを示しました。

上院ではクラリティ法案の本会議日程が決まらないまま夏季休会が迫っており、CFTC(米商品先物取引委員会)との監督権限を法律で整理する作業も停滞しています。

こうした状況を踏まえ、アトキンス委員長は「クラリティ法案が扱うのと同じ論点に対応するルールを出す準備があり、その意思も能力もある」と述べ、仮想通貨(暗号資産)市場の制度整備をSEC単独でも進める姿勢を示しました。

ただし、規制の枠組みは議会による立法で定めることが望ましいとの立場は維持しており、SEC職員が上院での法案審議に技術的な支援を続けていることも明らかにしました。

SEC規則か議会立法か揺れる整備手段

下院可決から1年超、上院で足踏み

法案は2025年7月17日に賛成多数で下院を通過したあと上院へ送られましたが、その後1年以上にわたり調整が続いています。

上院銀行委員会は超党派協議を経て、2026年5月14日に賛成15・反対9で法案を可決し、審議は本会議へ進みました。

委員会で可決された法案は2026年6月1日に上院で報告され、上院版の条文が公式記録に残ったものの、本会議での採決日程は示されないまま7月末を迎えました。

CFTCと共同で仮想通貨を5分類

議会の側で日程が動かない一方、SECは2025年7月31日に立ち上げた「プロジェクト・クリプト」のもとで、証券規制を仮想通貨の実態に合わせて作り替える作業を進めてきました。

その一環としてSECはCFTCとの共同解釈を2026年3月17日に公表し、それまで裁判や執行事例に頼ってきた仮想通貨の法的な扱いを次の5つの区分へ整理しました。

区分 証券としての扱い
デジタルコモディティ 証券に該当しない
デジタルコレクティブル 証券に該当しない
デジタルツール 証券に該当しない
ステーブルコイン 証券に該当しない
デジタルセキュリティ 証券として扱われる

この5区分が定まったことで個別の判断も進めやすくなり、SECはDeFi(分散型金融)のフロントエンド事業者が登録を免除される要件も示すなど、実務向けの指針づくりを続けています。

指針づくりは取引の枠組みにも及び、アトキンス委員長は取引所が証券と非証券の仮想通貨を一つの免許で扱う「スーパーアプリ」構想を打ち出しています。

政権交代で覆る規則のもろさ

ただし、規則による対応は将来の委員会が方針を変えれば同じ手続きで見直せる可能性があり、同委員長も制度上の限界を認めています。

そのため同委員長は、規制を長く保つには議会による立法が欠かせないと繰り返し述べており、SECが定める規則は法律ができるまでの橋渡しだとの立場を示しています。

法案支持広がるも倫理条文でなお溝

その60票を集めるうえで最後の関門になっているのは倫理をめぐる条文で、大統領を含む政府高官の仮想通貨事業への関与を制限する倫理規定の内容が固まらないまま協議が続いています。

この規定について民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は2026年7月22日、共和党が公表した改訂版では骨抜きだとして廃案を求める声明を出しました。

与野党の隔たりが残る一方で法案を後押しする声も強まっており、Franklin Templeton(フランクリン・テンプルトン)は7月27日のXへの投稿で、投資家が受けられる保護が明確になるとして支持を表明しました。

休会明けの上院での審議が先に動くのか、それともSECが規則案の公表へ踏み切るのかが、今後の制度整備をめぐる次の争点となっています。

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Source:CNBCインタビュー
サムネイル:AIによる生成画像

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