オフィスが「オープン」と「個室」では従業員の脳の使い方が異なる

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オフィスでの作業、「オープン型」と「個室型」では脳活動に違いが生じる

多くの企業では壁や仕切りをできるだけ取り払った「オープンプラン型」のオフィスが採用されています。

これは、1つの広いフロアに複数のデスクを並べ、社員同士の視界を遮らないレイアウトのことを指します。

日本でも、大きな部屋にデスクが並び、周囲で人が電話をしたり会話をしたりしているような職場がよく見られます。

パーティションは低く、音や視線が比較的自由に行き交う環境です。

一方、今回比較されたもう1つの空間は「ワークポッド」と呼ばれる個室型の作業空間です。

完全な会議室ほど広くはありませんが、1人用の小型ブースのような構造で、壁やパネルで囲われています。

外部の音や視覚刺激がかなり減り、内部には机と椅子、照明や換気設備が整えられています。

電話ボックス型の集中ブースや、防音仕様の1人用個室を想像すると近いでしょう。

では、このようなオフィス設計の違いが、私たちの仕事にどれほどの影響を及ぼしているのでしょうか。

研究では、就業者26人に無線式の波計を装着してもらい、この2種類の空間の両方で約15分ずつ作業してもらいました。

順番の影響を減らすため、半数はワークポッドから、半数はオープンプラン型から始める設計になっています。

行った作業は、実際のオフィス業務に近い内容です。

特定の音だけを検出する聴覚注意課題、文章を読み記述する読解・記述課題、単語を覚えて書き出す記憶課題など、集中力やワーキングメモリーを必要とする典型的な知的作業です。

重要なのは、研究の目的が単に「どちらの空間で成績が良かったか」を比べることではなかった点です。

研究者たちは、作業の開始直後と終了直前の脳波を比較し、「作業を続けるうちに脳の活動がどう変化するか」を見ました。

つまり、同じ仕事を維持するための脳のコストが時間とともに増えるのか、減るのかを調べたのです。

その結果、ワークポッドでは時間の経過とともに前頭部のベータ波やアルファ波が低下しました。

これは、脳が環境に適応し、同じ作業をより少ない神経活動で維持できるようになった可能性を示しています。

一方、オープンプラン型の空間では逆の変化が観察されました。

ガンマ波やシータ波が増加し、覚醒度やエンゲージメントを示す指標も上昇していました。

つまり、同じ作業を続けるために、脳はより多くの資源を動員し続けていたのです。

では、なぜこのような違いが生まれたのでしょうか。次項で解説します。

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