(CNN) 敵の前線の背後で切り立った岩の裂け目にひとりで身を隠した米軍士官。負傷しながらも、やるべきことは分かっていた。生き延びて、敵の捜索をかわすこと。
搭乗していた米軍の戦闘機F15E「ストライク・イーグル」がイラン上空で撃墜されてから1日以上、兵装システム士官(WSO)は森林に潜んでイラン軍の追跡をかわし続けた。切り立った崖をよじ登り、標高2000メートルを超す尾根に到達したときもあった。所持していたのは拳銃と通信機器、発信機のみだった。
米軍特殊部隊が高山地帯を捜索して将校を発見し、無事救出するまでの間、米空軍機はイラン軍を寄せ付けないよう、この一帯に爆弾を投下した。
この危険な救出作戦の詳細は、米当局者2人が事後に明らかにした。
作戦には数百人の米軍兵や情報要員がかかわった。陸軍特殊部隊デルタフォースと海軍特殊作戦部隊SEALは救出作戦を成功させ、米中央情報局(CIA)工作員は事前にイラン側を欺くための作戦を展開。作戦中に損傷した米軍機2機を、やむなくイランの地上で爆破処理した場面もあった。
ドナルド・トランプ大統領は4日、ホワイトハウスで救出作戦の様子を見守った。
F15Eが3日に撃墜されて以来、米政権は捜索救助に総力を挙げていた。パイロットはすぐに発見されたものの、もう1人の捜索が続行中だったことからホワイトハウスと国防総省は確認を避けた。
2人とも撃墜された戦闘機から脱出したものの、士官の居場所は分からなかった。脱出の際に負傷した士官は、懸賞金をかけて自分を捕らえようとしたイランに見つからないよう、岩の裂け目に身を潜め、米軍に連絡を取った。
しかしイラン軍による検知を免れるために断続的な通信しかできなかった。
イランは米軍のF15E戦闘機を撃墜し、攻撃機A10「ウォートホッグ」と捜索救助活動を支援したヘリコプターを攻撃する能力を有していた。これで、イランの制空権を制圧したという米政権の主張は揺らいだように見えた。
米軍が救出作戦の立案を急ぐ中、CIAも情報工作を展開。乗員が2人とも救出されたという情報をイラン国内で流し、士官の捜索に必死だったイスラム革命防衛隊を混乱させようとした。
一方、イスラエルは捜索救助活動の妨げとならないよう、イランに対して予定していた攻撃の一部を延期した。
士官の居場所を突き止めて軍に情報を提供したのはCIAだった。
米軍特殊部隊は士官が潜んでいた山間部に集結。この間、イラン軍を寄せ付けないよう米軍機が一帯を空爆した。
イラン辺境地にある飛行場では、米軍のMC130J特殊作戦機2機が特殊部隊と救出された乗員を出国させるために待機していたが、作戦の途中で損傷した。
このため米軍は代替機の派遣を決め、損傷した2機についてはイランに奪われるリスクを考慮して爆破することにした。
トランプ大統領は5日、ホワイトハウスで米東部時間の6日午後1時に記者会見を開き、今回の救出作戦について説明するとSNSで発表した。
救出された士官については、重傷を負いながらも「非常に勇敢」だったと評し、今回の救出作戦を「全員の驚くべき勇気と才能の表れ」と称賛している。

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