なぜ「人生のほぼ毎日」を覚えていられる人がいるのか?

8 時間前 5

日付を言うだけで、その日がよみがえる

日付を言うだけで、その日がよみがえる日付を言うだけで、その日がよみがえる / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

自分の人生のほとんどの日を、こまかく正確に覚えている人がいます。

この力は「超自伝的記憶(ちょうじでんてききおく。自分の身に起きたことを異常に細かく覚えている力)」と呼ばれます。

最初の一例が見つかってから、まだ二十年ほど。

研究チームは今回、この力を持つと確かめた16歳の女性に、日付を伝えました。

彼女はすぐその日の曜日を答え、その日の出来事を話しはじめる。

学校のある日だったか、テストを受けたか、自分や周りが何を着ていたか、何を食べたか。

標準的な検査で目立たない点は、これまでの症例報告と同じでした。

研究チームが今回あらためて測ったのは、この力の持ち主については誰も調べていなかった別の方向でした。

意図せず、ひとりでに浮かんでくる記憶の多さです。

専用の質問紙で測ったところ、彼女の頻度は、これまでの研究で報告されてきた平均より標準偏差2つ分も上でした。

いっぽう、記憶力をきちんと測る標準的な検査では、彼女の成績は平凡だったといいます。

覚えようとする力は人並み。ひとりでに戻ってくる回数だけが、桁違い。

ただしこれは、1人を詳しく調べた症例報告です。

記憶の研究は長いあいだ、意図して思い出す力を測ってきました。

テストで答えを探すときのように、自分から取りに行く思い出し方です。

けれど私たちの頭には、頼んでもいないのに記憶が返ってくる瞬間があります(匂いが記憶を呼び覚ます「プルースト効果」とは? 香りは人生を)。

仕事のメールを書いている最中に、昔の旅行の場面がふっと浮かぶ。

あれです。誰にでも起きる、ごく普通のことです。

思い出し方には二つある思い出し方には二つある / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

研究チームは、超自伝的記憶を持つ人の違いは、意図して思い出す力ではなく、こちらのほうにあるのではないかと考えました。

そこで使ったのが、ひとりでに浮かぶ記憶の多さを尋ねる質問紙でした。

面白いのは、この報告が出てすぐ、ヨーロッパの研究チームからも別の16歳の症例が報告されたことです。

そちらでは質問紙に加えて、実験中に頭へ浮かんだ内容をその場で答えてもらう、新しく作られた課題も使われました。

測り方の違う二つの報告が、同じ方向を指しました。

では、ひとりでに浮かぶことと、細かく覚えていることは、どうつながるのでしょうか。

記事全体を読む