本格的な秋の訪れとともに、“キノコ狩り”のシーズンが到来します。しかし近年、AIの回答をそのまま信じたことによる、毒キノコの誤食事故が発生しています。
毎日放送(MBS)の報道によると、2025年11月、70代男性が奈良県下北山村の山中で「ヒラタケ」や「シイタケ」に似たキノコを採取。この翌日、そのキノコを電子端末で撮影してAI判定を行ったところ、AIが「シイタケかヒラタケで食べられる」という旨の回答をしました。しかし、実際は有毒の「ツキヨタケ」であったため、喫食約30分で嘔吐の症状が出て、男性は一時入院したといいます。
海外でも同様の事故が起きています。朝日新聞によると、2026年6月、中国湖北省武漢市で、9歳の少年が野生のキノコを喫食。AIアプリが「毒はない」と判定していましたが、実際は毒キノコでした。少年は直後に嘔吐するなどし、急性肝不全などの合併症を引き起こして一時は危篤状態に陥りました。
こうした報道を受け、SNSでは「いよいよ起きたか。AIを鵜呑みにするのは危険」「私もGoogleレンズでキノコを調べたことあるから、気をつけないと」「AIを信じたせいで入院とか、絶対にいやだ」といった声も上がっています。
生育状況で色や形が変わる。専門家でも難しい見分け
農林水産省は9月4日、SNSを通じて注意を呼びかけました。キノコは「専門家でも見分けが難しい場合がある」として、「検索結果やAIの回答で食用かどうかを判断するのは大変危険です」と警鐘を鳴らしています。
群馬県も公式Xを通じて5日、「野生のキノコ AIの判定をそのまま信じないで!!」と注意喚起を投稿。キノコは生育状況によって色や形が大きく変わることから、「AIの判定は参考程度に留めましょう」と呼びかけています。
確実に食用と判断できないきのこは、「採らない」「食べない」「売らない」「人にあげない」を徹底しましょう。
AI作成の「キノコ本」にも注意
なお、海外では近年、チャット式のAIだけでなく、AIが作成したと思われる「キノコ本」が流通していることも問題視されています。2023年9月の英・ガーディアン紙は、AmazonのマーケットプレイスにAIが作成したと思われるキノコ採りに関する電子書籍が複数出品されていると報じています。
菌類学者のレオン・フレイ氏は、こうした電子書籍の内容に問題のある記載が見つかったと話し、「信頼できる情報源からの本を選ぶことをお勧めします」とコメントしています。

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