Bybitが北朝鮮・ラザルスを提訴、盗難資産の回収へ仮差止命令を取得

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この記事の要点

  • Bybitが北朝鮮とラザルスを提訴、盗難資産の凍結命令を取得
  • 4,840万ドルを回収、3,050万ドル超を28超の事業者で凍結

Bybit、北朝鮮とLazarusを米国で提訴

大手仮想通貨取引所Bybit(バイビット)は2026年8月7日、北朝鮮と同国の偵察総局(RGB)、ハッカー集団ラザルスグループを相手取り、米コロンビア特別区の連邦地裁に民事訴訟を提起したことを発表しました。

訴訟では、盗難資産を保有・移転する身元不明の個人や団体(ジョン・ドウ被告)も対象としており、Bybitは資産の移動を阻止するための仮差止命令を裁判所から取得しています。

法的措置の発端となったのは、2025年2月に発生した約15億ドル(約2,370億円)相当のイーサリアム(ETH)流出事件で、Bybitは事件後に続けてきた盗難資産の追跡を法的な回収手続きへと進めました。

裁判所は先行する一時差止命令で本件を「史上最大規模の仮想通貨盗難事件のひとつ」と表現したとされ、今回の仮差止命令では「Bybitが本案で勝訴する見込みを示した」と認定しています。

4,840万ドル回収、28超の取引所で凍結

チョウCEO「業界の信頼に対する攻撃だった」

今回の提訴について、Bybitの共同創業者兼CEOであるベン・チョウ氏は「ラザルスによる攻撃はBybitだけでなく、業界全体の信頼に対する攻撃だった」と述べ、事件を一企業への攻撃にとどまらない問題だとの認識を示しました。

同氏は「私たちの優先事項は変わっていない」とも語り、ユーザー保護と盗難資産の回収を進めながら、攻撃の実行者に責任を負わせる方針を明らかにしました。

責任追及に向けた民事訴訟と並行して、Bybitは米法執行当局による刑事捜査にも協力しており、FBI(米連邦捜査局)などにブロックチェーン上の追跡情報を提供しています。

28超の取引所で3,050万ドル超を凍結

刑事捜査への協力と並行してBybitは、事件発生直後からブロックチェーン分析企業や取引所、カストディアン(資産管理業者)、各国の法執行機関と連携し、盗難資産の行方を追ってきたとしています。

その結果、同社の発表では、これまでに約4,840万ドル(約76億円)の盗難資産が回収され、約3,050万ドル(約48億円)超が28を超える取引所やカストディアンで凍結されたと報告されました。

約3,050万ドル超の凍結資産は今後の法的手続きや捜査の進展を待つ扱いとなっており、資金追跡の過程では盗難資産の洗浄に利用されたインフラの特定と摘発にも至っています。

資金洗浄に使われた交換所・ミキサーを解体

そのひとつが盗難資金の洗浄に使われたとされる仮想通貨交換所「eXch」で、Bybitはドイツ当局による同サービスの解体を官民連携による資金追跡の成果に挙げています。

eXchの解体後も関連インフラへの捜査は続き、2025年11月にはEuropol(欧州刑事警察機構)の支援のもとスイスとドイツの当局が、資金の流れを追跡しにくくするミキシングサービス「Cryptomixer」を解体しました。

Bybitは、こうした摘発によって盗難資金の移動に使われていた主要な経路が相次いで取り除かれたとみており、国境を越えた資金追跡で官民の連携が機能したと評価しています。

一連の対応を踏まえてチョウ氏は「本当の試練は危機の後に来る」と述べ、盗難資産の回収を続けるとともに、セキュリティ対策や捜査機関・業界パートナーとの協力を継続する方針です。

関与否定の北朝鮮に対しBybitが訴訟継続

一方、Bybitが訴訟の相手方としたラザルスグループをめぐっては北朝鮮側が異なる主張を展開しており、2026年5月には同国外務省の報道官が仮想通貨ハッキングへの関与を全面的に否定する声明を出しています。

これに対してブロックチェーン分析企業のTRM Labs(TRMラボ)は、2026年1〜4月のハッキング被害額の約76%が北朝鮮関連だとする報告を公表しており、北朝鮮側の主張とは大きく食い違っています。

北朝鮮側が関与を否定する一方、Bybitは民事訴訟を通じた責任追及と盗難資産の保全を進め、訴訟の展開に応じて追加の司法救済を求める方針としています。

刑事捜査とは別に進められるLazarus Groupへの民事訴訟は現在も米国で続いており、Bybitは仮差止命令で保全した盗難資産を取り戻すための法的手続きを進めています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.80 円)

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Source:Bybit公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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