9月30日開始「オルカン高配当」、通常のオルカンと何が違う?向いてる人は?信託報酬・分配・所属シリーズで比較解説

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三菱UFJアセットマネジメントが9月30日、新商品「eMAXIS高配当全世界株式(オール・カントリー)」を設定する

「オルカン」の名を冠してはいるが、ベンチマークとする指数もコスト構造も、所属するシリーズも異なる。通常のオルカンと何が同じで、何が違うのか整理していく。

違い① 投資対象となる“指数”が異なる

大きな違いは、追いかける指数そのものが違う点だ。指数とは、複数の銘柄の値動きをひとつの数値にまとめた「物差し」のようなもので、インデックスファンドはこの指数と同じ値動きを目指して銘柄を組み入れる。

オルカンはMSCI ACWIという「世界の株式を時価総額でまるごと持つ」指数に連動する。一方オルカン高配当がベンチマークとするのは、そのACWIの構成銘柄から、配当の持続性・成長性、財務品質、株価パフォーマンスなどを踏まえて銘柄を選定した「高配当版」の指数だ。

組み入れられる銘柄も業種構成も、当然変わってくる。オルカンがACWIの構成銘柄をまるごと保有するのに対し、オルカン高配当はそこから配当利回りや財務品質などの基準で絞り込んだ銘柄だけに投資する。

違い② 運用会社の“所属シリーズ”が異なる

「『オルカン高配当』の設定について」(資料)より
「『オルカン高配当』の設定について」(資料)より

三菱UFJアセットマネジメント

運用会社側もこの2つを明確に分けている。従来のオルカンは、コストの低さを最優先する「eMAXIS Slimシリーズ」の商品。対してオルカン高配当は、目的やライフスタイルに応じた選択肢をそろえる「eMAXISシリーズ」に属する。

ブランドとしては近くても、商品ラインとしては別カテゴリーだ。信託報酬は年0.165%(税込)、純資産総額に応じた段階料率が設けられている。

なお、「オルカン高配当」という愛称は共通だが、実際には「配当払出型」と「資産成長型」はそれぞれ独立したファンドとして設定される。

『eMAXIS 高配当全世界株式(オール・カントリー)配当払出型〈愛称:オルカン高配当〉』『eMAXIS 高配当全世界株式(オール・カントリー)資産成長型〈愛称:オルカン高配当〉』と、それぞれ別のファンド名で発表されている。

取扱う販売会社は、配当払出型はSBI証券・楽天証券・マネックス証券・スマートプラスで、資産成長型はSBI証券・楽天証券・マネックス証券で扱われる。

違い③ “分配設計”が異なる

投資対象がすでに別物であることに加え、分配の設計も異なる。従来のオルカンは分配を原則行なわず、利益を再投資に回す。

オルカン高配当の「配当払出型」は、経費を差し引いた後の配当収益をほぼそのまま分配する設計で、決算日は3月・6月・9月・12月の各14日、年4回。初回決算日は2026年12月14日となる。

もう一方の「資産成長型」も高配当株に投資する点はオルカン高配当と同じだが、分配は行なわず、決算も9月14日の年1回のみで、初回決算日は2027年9月14日だ。

分配のために基準価額そのものを取り崩すタイプの一般的な毎月分配型ファンドとは異なり、あくまで「配当由来の収益」だけを分配するのが特徴だ。

ただし、分配額は基準価額の水準や市況動向によって決まるため、分配が行なわれない場合もあり、将来の分配や金額が保証されているわけではない点には注意が必要だ。

なぜ「配当払出型」が生まれたのか?向いている人は?

運用会社によれば、ファンド新設の背景には投資家の心理的な負担を軽くしたい狙いがあったという。過去に開いたブロガー向けの意見交換会では、取り崩しや解約への抵抗感を語る投資家がいた一方、分配金として受け身に受け取るほうが安心できるという声も挙がった。

会員向けアンケートでも、分配金に魅力を感じると答えた人が半数を超え、「定期的に現金を受け取っている実感や安心感」を目的に挙げる回答が、年代や投資歴を問わず最多だったという。

これに応える形で生まれたのが配当払出型で、単にオルカンに「分配オプション」を追加したのではなく、分配を実現するために投資対象自体を組み替えた商品ということになる。

共通しているのは、全世界への分散投資という方針、NISA成長投資枠への対応、為替ヘッジを原則行なわない点、そして購入時手数料と信託財産留保額がいずれも無料である点だ。

これから資産形成を進めていきたい人には、引き続きオルカンが選択肢になる。一方、すでに一定の資産を築き、そこから得られる配当を生活の足しにしたい人には、オルカン高配当という選択肢も新たに加わることになる。

※本記事は、事例として取り上げた金融商品の売買を勧めるものではありません。本記事に記載した情報によって読者に発生した損害や損失に関しては、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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