魚が自然に入れない湖で、約7000年前の漁具を発見
最終氷期、ノルウェー内陸部の大部分は氷床に覆われており、現在山岳湖となっている場所にも淡水魚は生息できませんでした。
紀元前8000年頃までに氷が後退すると、人々と魚は内陸へ広がりましたが、一部の水系では急流や滝が壁となり、魚は高地まで自然に遡上できませんでした。
研究対象となったテッセ湖は、ノルウェー南部の山岳地帯にある海抜約854mの湖です。
歴史的には下流域に約25種の魚がいた一方、上流域で知られていたのはブラウントラウトだけでした。
そのため、山岳部の魚は人間が運んだと考えられていましたが、それがいつ始まったのかは不明でした。
ところが2022年、貯水池となったテッセ湖の水位が下がった湖底から、木製の定置式の漁具が発見されます。
研究チームは4基の漁具を発掘し、113点の木材試料を回収しました。
そのうち73本を漁具の杭と判断し、樹種の観察、放射性炭素年代測定、年輪年代学を組み合わせて年代を調べました。
保存状態の悪い一部の杭では、樹脂で固めた薄片やCT画像から年輪を測定しています。
その結果、最古の漁具は紀元前4950年頃で、別の漁具も紀元前5000年頃に位置づけられました。
さらに紀元前3850年頃と紀元前2700年頃の漁具も確認され、少なくとも約2300年にわたる複数の時期に、湖で漁具が築かれていたと分かりました。
これは、ブラウントラウトが遅くとも紀元前5000年頃までには湖へ導入され、漁獲できるほど増えていたことを意味します。
では、漁具の年代から、なぜ魚の放流まで分かるのでしょうか。
その詳しい根拠を次項で見ていきます。






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