(CNN) オーストリアの首都ウィーンで先月27日、覆面を着けていない強盗犯2人がハンマーでガラス製の展示ケースを割り、400万ドル(約6億4000万円)相当のダイヤのネックレスを白昼堂々、盗み出す事件があった。
オーストリア警察によると、捜索対象となっている男2人は、応用美術博物館(MAK)で開催中のジュエリー展の来場者を装っていた。展覧会ではダイヤ673個をあしらい、かつてエジプトの王族が所有していたプラチナのネックレスが展示されていた。
警察は、展示会場に入る前の容疑者2人を捉えた防犯カメラの映像を公開した。2人は近隣の公園の方向へ徒歩で逃走したとみられている。警察によると、事件で負傷者は出なかったものの、容疑者の1人は銃を所持していた模様だ。
警察は声明で、警察犬も投入して「大規模捜索」を進めていると付け加えた。国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)によると、オーストリア当局はネックレスを盗難美術品のデータベースに登録した。
このネックレスは1930年代にエジプトのナーズリー王妃のためにデザインされたもので、デザインを手掛けたフランスのジュエリーブランド、ヴァンクリーフ&アーペルから貸し出されていた。展覧会では博物館の所蔵品と、ヴァンクリーフ&アーペルの作品300点以上を組み合わせて展示していた。
展覧会は27日に一時中断したものの、同日中に再開したと報じられている。28日には、破損した展示ケースを覆う青いパネルが設置された。

盗難に遭ったネックレスは673個のダイヤをあしらい、かつてエジプトのナーズリー王妃が所有していた(写真は2020年にパリで撮影された)/Stephane de Sakutin/AFP/Getty Images
行方不明になっているネックレスは、合計200カラットを超えるダイヤで構成されている。6カラットの中央の石をバゲットカットのダイヤの列が取り囲み、放射状に広がる太陽の光をモチーフに数百個の小さな宝石を配置するというデザインだ。エジプト王フアード1世の妻だったナーズリー王妃が1939年、娘のファウジア王女の結婚式のため、おそろいのティアラと共に発注した。
ナーズリー王妃ともう一人の娘ファトヒーヤ王女は50年、フアード1世の後を継いだ息子のファールーク1世によって、王族の身分をはく奪された。ファトヒーヤ王女がコプト教徒の外交官だった平民の男性との結婚を望んだためだった。ナーズリー王妃は残りの人生を米国で過ごし、借金が膨らむ中、70年代にネックレスとティアラを売却した。
ネックレスが再びお目見えしたのは2015年。サザビーズのオークションにかけられ、およそ430万ドルで落札された。オークションのカタログでは、その作りを「まさに匠(たくみ)の技」と評し、ダイヤモンドの配置により「驚くほどの着け心地の良さ」が実現されていると指摘している。

ウィーンの応用美術館の外で撮影された警察官の姿/Albert Otti/picture alliance/Getty Images
欧州では各地の美術館で強奪事件が相次いでいる。「世紀の強盗」と評された昨年10月の事件では、窃盗団がパリのルーブル美術館の窓をこじ開け、ナポレオン時代の貴重な工芸品を大量に持ち去った。昨年はこれに先立ち、強盗団が爆発物を使ってオランダの美術館に侵入し、ルーマニアから貸し出されていた約2500年前の金のかぶとなど4点の古代遺物を盗む事件もあった。
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原文タイトル:The John Galliano 2027 Met Gala has been canceled(抄訳)

1 時間前
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