
この記事の要点
- 香港金融管理局(HKMA)が銀行の量子準備指数(QPI)を初公表
- 初回スコアは2.3点、銀行のPQC移行支援策と2030年目標も提示
HKMA、量子準備指数QPIを初公表
香港金融管理局(HKMA)は2026年7月27日、香港で開いたフィンテックイベント「FiNETech8」で、銀行の量子コンピュータ対応度を測る「量子準備指数(QPI)」と関連白書を初めて公表しました。
初回スコアは10点満点中2.3点となり、香港の銀行セクター全体でPQC(ポスト量子暗号)への移行がなお初期段階にあることが示されました。
量子対応が急がれるなか、香港ではすでにトークン化預金やデジタル資産決済の実用化が進み、金融インフラを支える暗号技術にはこれまで以上の安全性が求められています。
HKMAは2026年2月のフィンテック推進ブループリントでQPIの創設を打ち出しており、今回は初回スコアの公表にあわせて、銀行のPQC移行を後押しする支援策も示しました。
仮想通貨マージン融資を容認
4つの評価軸と2030年までの移行計画
調査が示した銀行間の対応格差
初回スコアの2.3点は、HKMAが2026年初頭に香港の銀行を対象に実施した調査をもとに算出され、白書ではその評価の内訳も公表されました。
白書によると、回答した銀行の約68%は、量子リスクへの理解や移行計画の策定、試験導入など、何らかの対応を進めていました。
残る32%は、PQC(ポスト量子暗号、量子計算でも解読が難しいとされる次世代の暗号方式)への移行をこれから始める段階にとどまるといいます。
正式なPQC移行計画を策定済みの銀行は全体の約半数にとどまり、同じ規制のもとで営業しながらも準備の進み方にはばらつきがあると白書は指摘しました。
こうしたばらつきのなかでも、約3分の1の銀行はすでに量子関連の取り組みを検討し、あるいは試験導入まで踏み込んでいるとHKMAは説明しています。
QPIが測る4つの評価軸
QPIは、こうした銀行ごとの差を同じ物差しで比べられるようにした指標で、HKMAは将来の到達点まで測れる前向き型のベンチマークとして設計しました。
採点は認知・計画・パイロット・実践的準備の4つの軸で行われ、初回の2.3点について、HKMAは業界全体がまだ基盤づくりに力を注ぐ段階にあると述べています。
白書では4つの評価軸ごとに確認項目が整理されており、各行は自社の準備状況を項目別に把握できる構成となっています。
| 認知 | 量子リスクの理解と経営層への浸透度 |
| 計画 | PQC移行計画の策定状況 |
| パイロット | 量子関連技術の試験的な導入 |
| 実践的準備 | 実装・運用レベルでの対応の完成度 |
HKMAが描く2030年までの支援策
またHKMAは、香港科技大学ビジネス・マネジメントスクールおよび業界と共同で、PQCツールキットを開発する方針を示しました。
ツールキットは、各行が移行計画の優先順位を整理し、暗号アジリティ(暗号方式を必要に応じて切り替えられる柔軟性)の向上に役立てることを想定しています。
あわせてHKMAは、体制づくりとPQC対応の強化に向けたワークショップを続けて開き、量子技術の責任ある活用についても知見を共有する計画です。
こうした支援を通じてHKMAは2030年までに、香港の銀行セクター全体でQPI10点の達成を目標に掲げています。
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Source:HKMA発表
サムネイル:AIによる生成画像

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