(CNN) 中東に長期展開していた米空母エイブラハム・リンカーンが2日にタイの港に入ると、その外観を目にした人々は衝撃を受けた。全長約335メートルの軍艦は、船首から船尾までさびに覆われていたからだ。

以前のリンカーン/Petty Officer 2nd Class Jordan Steis/US Navy
しかし米海軍によれば、昨年11月に母港のサンディエゴを出港して以降、リンカーンは海上で286日間を過ごした。専門家はそれを考えれば、この状態は想定内だと指摘する。リンカーンは中東でもイランを相手に数カ月にわたる戦闘や封鎖作戦に従事した。
「60日以上連続して海上での作戦に従事した艦船で、喫水線に沿ってさびが生じるのは珍しいことではない」と、退役海軍大佐のカール・シュスター氏は語った。同氏はリンカーンと同じニミッツ級空母で3度の勤務経験がある。
シュスター氏はCNNに対し、海上ではさびに対処することはできず、特に戦闘作戦中は不可能だと語った。乗組員は喫水線まで下りてさびを削り取り、防錆(ぼうせい)用の下塗り塗料を2度塗りしたうえで海軍仕様の灰色の塗料を2度塗る必要がある。

昨年12月に撮影された米空母エイブラハム・リンカーン/Valerie Lynn Maigue/US Navy

今月2日のリンカーン/Chalinee Thirasupa/Reuters
「私が目にしている状態からすると、すべてのさびを除去するには30日間程度の保全作業が必要だ」とシュスター氏は述べ、タイへの寄港中に、重要な部分について一部の作業が行われる可能性があるとの見方を示した。
「さびに侵された鋼鉄構造物はどれも弱くなる。そのため、甲板や通路、ライフラインといった部位に決定的な影響が出る前に除去しなければならない」(シュスター氏)
リンカーンがタイに到着して以降、トランプ氏はその状態について発言していない。
ただしトランプ氏は過去に、2期目の政権下で展開期間が長期化している米海軍の軍艦について、外観をきれいにするよう求めたことがある。
フェラン前海軍長官は昨年、トランプ氏がさびの問題のことで夜中に電話をかけてきたと明かした。
米軍事メディア「タスク・アンド・パーパス」によると、フェラン氏はメリーランド州で開かれた会議で、「大統領は私に何度もこう言った。『造船、造船、造船だ。艦船を整備施設から出せ。あのいまいましいさびを直せ』。彼はさびが気に入らないし、私も夜中に電話を受けるのは好きではない」と述べた。
シュスター氏によれば、乗組員もさびは好きではない。海軍の活動の中で、さびの除去作業は配管まわりのあらゆる作業とならんで2大不人気業務だったという。

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