金融庁、信託型ステーブルコインの調書免除を要望|2027年度税制改正

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この記事の要点

  • 金融庁が2027年度の税制改正要望を公表
  • 信託型ステーブルコインの税務書類免除などを要望

信託型ステーブルコインの調書免除を要望

金融庁は2026年8月31日、令和9(2027)年度の税制改正要望を公表し、信託型ステーブルコインの税務書類提出を免除する措置やNISAの利便性向上などを盛り込みました。

要望は「資産運用立国の推進」「子育て世帯への支援」「金融イノベーションの推進」の3分野で構成され、仮想通貨に関わる措置を含む主要5項目が掲げられています。

暗号資産(仮想通貨)に関わる措置では、法定通貨と価値が連動するステーブルコインの一種である「信託型ステーブルコイン」について、保有者が変わるたびに受託者へ求められる調書の提出を不要とするよう要望しています。

個人投資家に関わる項目では、売却した年にNISAの非課税枠を再び使えるようにする措置に加え、デリバティブ取引などを含む損益通算の対象拡大が挙げられています。

ステーブルコイン・NISA・損益通算の3分野で要望

信託型ステーブルコイン調書提出の免除

現行の相続税法と所得税法では、信託の受益者などが変わった際、受託者は受益者の氏名や信託財産の内容を記した調書を税務署へ提出する義務があります。

これに対して信託型ステーブルコインは、法定通貨と連動する決済手段として多数の利用者の間を短期間で繰り返し移転するため、受託者による保有者の把握が難しく、保有に伴う収益も見込まれないと金融庁は説明しています。

こうした流通実態を踏まえ、金融庁は受益者の変更時に受託者へ課される相続税法と所得税法の2種類の調書について、信託型ステーブルコインを提出義務の対象から外すよう要望しました。

一定の外国発行の信託型ステーブルコインを電子決済手段として規定することに伴う対応も含まれており、海外発行分についても税制上の措置を講じるよう求めています。

NISA非課税枠、売却年に再利用可能へ

NISAについては、売却によって減少した非課税保有限度額(1,800万円・簿価ベース)をその年のうちに再び使えるようにする措置が、継続要望として掲げられています。

現行制度では、売却した分の非課税保有限度額を再利用できるのは翌年以降となるため、年内に商品を売却しても、その分の枠を同じ年には使い直せない仕組みとなっています。

金融庁は年間投資枠(最大360万円)の範囲内で売却分を当年中に再利用できる仕組みを要望しており、実現すれば売却した年でも空いた非課税枠を新たな投資に充てられるようになります。

損益通算の範囲拡大を3省共同で要望

個人の投資環境に関わる見直しでは、金融商品にかかる損益通算の対象を、現在は対象外となっているデリバティブ取引や預貯金などにも広げるよう求めています。

上場株式などと特定公社債などの間では2016年1月から損益通算が認められている一方、デリバティブ取引や預貯金などは対象に含まれておらず、金融商品によって税務上の取り扱いが分かれています。

金融庁は損益通算の範囲を広げることで家計から成長資金への供給を後押しする狙いを挙げており、この項目は経済産業省と農林水産省との共同要望となっています。

27年度税制改正大綱に向け議論が本格化

日本では2025年12月に申告分離課税や暗号資産ETFの導入方針が示され、2026年6月には暗号資産・ステーブルコイン仲介業の制度が施行されるなど、仮想通貨やステーブルコインを取り巻く制度の見直しが続いています。

今回の税制改正要望では、信託型ステーブルコインの流通実態を踏まえた税務上の取り扱いに加え、NISAや損益通算など個人の投資環境に関わる税制の見直しも打ち出されました。

これらは現時点では税制改正の要望段階で、政府・与党は年末にまとめる令和9年度税制改正大綱に向けて各項目の採否を議論する見通しです。

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Source:令和9年度税制改正要望
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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