「認知症に音楽はいい」は、ひとくくりにしすぎていた
Credit:Canva好きな曲のサビが流れると、つい体が揺れたり、足でリズムをとったりします。
「この曲、知っている」「一緒に歌いたい」「なんだか楽しい」。
好きな一曲が流れているあいだに、脳の中ではこれだけのことが重なって起きています。
音楽を聴く働きは、音を受け取る場所ひとつで完結しているわけではないのです。
一方、認知症を引き起こす病気にも、いくつもの種類があります。
アルツハイマー病でまず目立つのは、記憶の問題です。
対して前頭側頭型認知症には、性格や人との接し方が変わっていくタイプがあります。
研究チームが比べたのも、この2つの病気でした。
どちらも脳の働きを損なう病気ですが、傷むのは脳の全部ではなく、病気によって場所も違います。
もの忘れが進んでも、音楽に関わる働きまで同じように衰えるとは限りません。
実際、知っている曲だと気づく働きは、アルツハイマー病では比較的保たれやすいと報告されてきましたが、前頭側頭型認知症では、音楽から感情を読み取ったり、リズムやメロディーをつかんだりする働きの変化が報告されています。
実際、アルツハイマー病の人でも、昔よく聴いた曲が流れると「あ、知っている」と気づくことができます。
もの忘れが進んでも、この力は比較的よく残ると報告されてきました。
けれど前頭側頭型認知症では、同じ曲から悲しさや楽しさを読み取る力や、リズムとメロディーをつかむ力のほうが、早いうちから揺らぎはじめます。
同じ一曲でも、どこが残り、どこが変わるかは、病気によって違うのです。
この違いは、好きな曲を流すケアの効き方にも関わってきます。
しかし好きな曲が流れているあいだ、2つの病気の脳では何が違っているのか、そこを見比べた研究はほとんどなかったのです。
同じ一曲を聴いていても、認知症の種類によって、脳の受け取り方は違うのでしょうか?







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