
この記事の要点
- ベッセント米財務長官、イラン仮想通貨10億ドル押収を示唆
- 仮想通貨制裁がウォレットから取引所へ段階的に拡大
対イラン制裁で仮想通貨10億ドル押収か
2026年10月9日、スコット・ベッセント米財務長官はワシントンD.C.で開催されたNewsmax主催のサミットに登壇し、イラン関連の仮想通貨(暗号資産)約10億ドル(約1,580億円)を今週中に押収する可能性が高いと明らかにしました。
押収対象となる仮想通貨について、ベッセント長官は「所在を把握している」と述べ、米当局が対象資産の所在を特定しているとの認識を示しました。
同氏は一連の取り組みについて、米政府の対イラン政策が従来の「最大圧力」から「完全孤立化」へと移行し、経済的な封じ込めが成果を上げていると説明しています。
ただし、押収対象となる仮想通貨の種類やウォレットの詳細、具体的な執行方法は明らかにされておらず、10億ドル規模の押収が実際に行われるかは不明となっています。
5分野に対イラン制裁を発動
米財務省、イラン仮想通貨制裁を段階的に拡大
対イラン「完全孤立化」へ新作戦を開始
米財務省は2026年4月から対イラン制裁「オペレーション・エコノミック・フューリー」を展開し、8月24日には「オペレーション・エコノミック・アウトキャスト」を開始したと発表しました。
新たな作戦では、イラン政権や革命防衛隊(IRGC)を支える国外の金融ネットワークを標的とし、制裁回避に関与する第三国の事業者にも取り締まりを広げる方針を打ち出しています。
米財務省は石油取引などを通じたイランの資金調達を問題視しており、制裁回避に利用される仮想通貨取引も監視対象としています。
ベッセント長官は今回のサミットで、金融面の制裁と並行して海上・陸路・航空路でもイランの経済活動を遮断していると説明し、革命防衛隊の幹部による国外資産へのアクセスも制限されていると述べました。
制裁がウォレットから取引所へ拡大
仮想通貨を通じた資金移動への制裁では、ビットコイン(BTC)やテザー(USDT)などを利用したイラン関連の取引が対象となっています。
OFAC(米外国資産管理局)は2026年4月24日、IRGCやヒズボラに関連するとされるトロン基盤の仮想通貨ウォレット2件を制裁対象に指定し、テザー社との連携によって約3億4,400万ドル(約541億円)相当のUSDTが凍結されたことが明らかになりました。
米当局の取り締まりは資金の保管先だけでなく、仮想通貨の取引を仲介する事業者にも及び、OFACは同年6月2日、イラン最大手のNobitexを含む4社を制裁対象に追加したと発表しました。
米財務省によると、Nobitexは2025年にイラン国内へ流入した仮想通貨の50%超を取り扱い、イラン中央銀行による数億ドル規模のステーブルコイン取引にも関与していたとされています。
革命防衛隊の送金ルートを遮断へ
Nobitexへの制裁後も、米財務省はイラン革命防衛隊(IRGC)の資金移動に関与したとされる事業者への取り締まりを続けています。
OFACは2026年8月7日、ShelbitとAban Tetherを制裁対象に追加し、ShelbitによるIRGC関連の資金移動や、Aban Tetherによる制裁対象取引所との取引を問題視しました。
米財務省によると、Shelbitの取引所アドレスにはIRGC関連ウォレットから100万ドル超が送金され、逆方向にも200万ドル超の仮想通貨が移転していたとされています。
「保険料」強要のイラン企業を制裁
仮想通貨取引所BitBankも制裁対象に
米財務省は2026年9月17日、イラン人実業家ババク・ザンジャニ氏が管理する仮想通貨取引所BitBankを制裁対象に指定したと発表し、革命防衛隊(IRGC)に関連する仮想通貨取引への取り締まりをさらに拡大しました。
同省によると、BitBankは同年6〜7月にIRGCへ数億ドル相当のビットコインを移転するために利用されており、取引所の開発会社や関係者も制裁対象に加えられました。
米当局がイラン関連の仮想通貨取引所や資金移動への制裁を重ねる中、ベッセント長官は新たに10億ドル規模の押収に言及しましたが、対象資産や具体的な執行方法は明らかにしておらず、実際の押収に至るかは不透明となっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.28 円)
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Source:スコット・ベッセント米財務長官インタビュー
サムネイル:AIによる生成画像

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