(CNN) 米カリフォルニア州沿岸の海面が10月中旬までに約30センチ上昇する見通しとなっている。エルニーニョの影響でメキシコと中米の沖合から大量の海水が北へと押し流されているためだ。
この海水は「沿岸ケルビン波」の形態として到来しており、熱帯太平洋で形成されつつある強力なエルニーニョが最初に及ぼす大きな影響の一つとなる。ノースカロライナ州立大学の海洋学者ディロン・アマヤ氏は、「通常、エルニーニョというと降水量への影響を考えるが、エルニーニョが実際に発生していることを示す最初の兆候の一つが、こうした沿岸に閉じ込められた波の到来だ」と述べた。
沿岸ケルビン波は、海辺で目にするような通常の波ではない。むしろ、メキシコのバハ・カリフォルニア半島沖から時速約10キロで北へ進む様子は、人間の目にはほとんど分からない。ただし、海面高度の変化を測定する衛星を使えば検出可能だ。
科学者によると、沿岸ケルビン波は沿岸の海面を上昇させるため、同じくエルニーニョの影響を受ける高潮や冬の嵐による被害の可能性を高める。
4月16日から9月10日にかけてケルビン波が太平洋を移動する様子/Dillon Amaya
外洋のケルビン波は巨大で、ゆっくりと移動し、上下に揺れ動く。陸地に突き当たると進行方向を変えて海岸線と並行に南北に移動し、その過程で海面を約15~30センチ上昇させる。
アマヤ氏によると、カリフォルニア州沿岸の水位はすでに、エルニーニョに関連する別の要因によって上昇している。その中には、5月と6月に到達した沿岸ケルビン波も含まれる。今後到来する波によって海面がさらに上昇することで、沿岸洪水のリスクが高まるという。
さらに、エルニーニョに伴う高温の海水は膨張し、より大きな空間を占めることも西海岸沿いの海面上昇の一因となっている。
今回の波が、すでに存在している上昇分に上乗せされることで、カリフォルニア州沿岸の海面の高さは通常より約25~36センチ高くなると予想されている。
カリフォルニア大学サンタクルーズ校の沿岸気候レジリエンスセンターで研究責任者を務めるパトリック・バーナード氏は、「西海岸では非常に多くの地域社会が海面と同じ高さに築かれており、海面が約5~10センチ上昇するたびに洪水リスクは2倍になる」と述べた。
アマヤ氏は、カリフォルニア州沿岸の一部での産業革命以前と比べた基礎的な海面上昇は約30センチに相当すると指摘。今回の変化によって、1世紀以上かけて進んだ海面上昇分が、一時的とはいえ一気に上乗せされることになる。

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