ボトルの口より大きなカニは、どうやって中に入ったのか
発見のきっかけは、沖縄県・瀬底島の沖合で行われていた稚魚の調査でした。
研究者たちは、島から約500メートル離れた海上で、稚魚が集まっている漂流プラスチックボトルを発見。
海に浮かぶゴミや流木の周りには、小さな魚が隠れ場所を求めて集まることがあります。
このボトルも、そうした小さな魚たちの一時的なすみかになっていたのでしょう。
ところが、ボトルを回収してみると、中には生きた大型のワタリガニの仲間が閉じ込められていました。
種は、ジャノメガザミ(学名:Portunus sanguinolentus)です。
漂流していたボトルと中にいたカニ/ Credit: Hajime Sato / Sato et al., Ecosphere(2026)/ CC BY 4.0回収されたボトルは、高密度ポリエチレン製の紹興酒ボトルで、口の直径は24ミリでした。
一方で、中にいたカニは甲長40.31ミリ、甲幅88.23ミリ、重さ42.06グラムでした。
つまり、現在の体の大きさでは、どう考えてもボトルの口を通ることはできません。
ここから研究者たちは、カニが大きくなってからボトルに入ったのではなく、まだ小さな幼体の段階で入り、その後、ボトルの中で成長したと考えました。
ボトルは完全に密閉されていたわけではなく、口が開いていたため、海水は自由に出入りできました。
そのため、酸素の供給が完全に断たれることはなかったと考えられます。
しかし、外に出られないという点では、ボトルは立派な罠でした。
入ったときには安全な隠れ場所だったとしても、成長したカニにとっては、脱出できない小さな牢屋になってしまったのです。






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