水位低下の米ミード湖、22年には殺人事件の遺体も発見 謎はいまだに解けず 

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(CNN) 過去最低水位を記録した米西部の人工貯水池ミード湖。最低水位を前回更新した2022年には、大きく後退した湖岸から、ありとあらゆる奇妙な光景が出現した。

何年ぶりかに、第2次世界大戦時の艦船の骨組みに太陽の光が降り注いだ。水が引くにつれ、放棄されたハウスボートの残骸が姿を現した。水中に沈み、所有者からとっくの昔に見捨てられていた小舟やスピードボートも、砂の上に乾いた状態で横たわっていた。

だがやがて、はるかに深刻な秘密が明らかになった。

この年の5月の晴れた朝、貯水池の人気湖岸スポット「ヘメンウェイ・ハーバー」に悲鳴が響き渡った。訪れた女性が、時間の経過で腐食した金属製のドラム缶を偶然発見したのだ。腐食は激しく、中に閉じ込められていた男性の腐敗した遺体がはっきりと見えた。白骨化した遺体はぼろぼろのジーンズやスニーカー、銀色の腕時計を身に着けたままだった。

遺体の入ったドラム缶が発見された場所を示す木製パレット=2022年5月1日/Patrick T. Fallon/AFP/Getty Images/File
遺体の入ったドラム缶が発見された場所を示す木製パレット=2022年5月1日/Patrick T. Fallon/AFP/Getty Images/File

警察はすぐに、男性が1970年~80年代に起きた殺人事件の被害者であることを突き止めた。だが、数十年前の遺体の身元を特定するのは、そう簡単な作業ではなかった。

「ヘメンウェイ・ハーバーの身元不明男性」と呼ばれるこの遺体の発見をきっかけに、激しい臆測が飛び交った。その後の数カ月でさらに3人の遺体が発見され、臆測は高まるばかりだった。

捜査員はDNA鑑定や従来の手法を用いて、22年に発見された他の3遺体の身元を特定することに成功した。しかし、ヘメンウェイ・ハーバーで見つかった殺人被害者の身元特定は、はるかに困難を極めている。

捜査員は長年、法医学的な手段を尽くして事件の解決に取り組んでいるが、地元住民や実録犯罪愛好家の間では、亡くなった男性の運命を巡り様々な説が取り沙汰されてきた。当時のラスベガスはマフィアが掌握しており、「シン・シティー」と呼ばれた街は、人間の欲望を満たすきらびやかな場所として評判を高めていた。

ヘメンウェイ・ハーバーの身元不明男性を探して

22年5月1日、警官たちがミード湖の波打ち際で見つかったスチールドラムまで足を運ぶと、劣化した金属に空いた大きな穴から、著しく腐敗した人骨がのぞいていた。検視官による確認を待つまでもなかった。殺人事件の捜査の始まりだった。

これだけでも既に十分不審な状況だが、ラスベガス警察殺人課のジェイソン・ジョハンソン刑事は当時のCNNの取材に、被害者は明らかに銃弾による傷を負っていたと証言した。

遺体やそれを閉じ込めていた金属の缶が鑑定に回されると、刑事たちの見立ては確信に変わった。

ラスベガス警察殺人課の元刑事、レイ・スペンサー氏はこの年、CNNに「(遺体を遺棄した)人物は、被害者が発見されないように手間をかけていた」と語った。

ドラム缶の胴体には数カ所の穴が開けられ、湖のはるか沖合に捨てられていた。だが遺棄した人物が誰であれ、貯水池の湖岸線が数百メートルも後退する日が来るとは、想像もしなかっただろう。

遺体が遺棄されたころ、ミード湖の水位は過去最高に近づいていた。1983年のピーク時には、海抜約373.3メートルに到達。以来、水位は60メートル近く急低下している。水位低下は気候危機による干ばつや、長年にわたる水の過剰利用の結果であり、コロラド川水系やそこから水の供給を受ける巨大貯水池は危機的状況にある。

遺体発見時に殺人課を統括していたスペンサー氏は、「40年前にさかのぼれば、被害者が発見された場所はおそらく、約800メートルから1600メートル沖合にあったはずだ」と話す。

ドラム缶に入れられた時、被害者はしま模様の半袖ボタンダウンシャツにジーンズ、スニーカーを身につけたままだった。冷たい淡水環境のおかげで衣服の保存状態が良く、捜査当局は1970年代半ば~80年代初頭に死亡したと特定することができた。

しかし、何十年ものあいだ水に浸かっていた遺体の身元を特定するには、多くの課題が立ちはだかる。そして、被害者の身元が判明しなければ、捜査当局の事件解決能力は極めて限られたものになってしまう。

ジョハンソン氏は当時、「事件の証人や関係者の年齢を考えると、その多くは日々高齢化している。まだ生きているのだろうか、と心配せざるを得ない年齢だ」と語っていた。ジョハンソン氏はその後、退職した。

クラーク郡検視局は過去4年間、警察や連邦捜査局(FBI)の協力を受け、いくつかの技術を活用して事件解決に取り組んできた。

スペンサー氏は22年、遺伝子系図が鍵になるかもしれないと指摘。被害者が死亡した当時、法執行機関はDNAを採取していなかった。

「被害者が現在のデータベースに登録されている可能性は皆無だ。このため、系図調査を通じてつながりを特定できる親族や家族がいることを期待するしかない」(スペンサー氏)

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