私たちが「圧力」と呼んでいるものは連打だ
私たちが「圧力」と呼んでいるものは連打だ / Credit:Canva , 川勝康弘傘が風にあおられて、ぐいと持っていかれます。
飛行機が高度を上げると、耳がツンと詰まります。
どちらも、空気が押してくる力のしわざです。
このような気体の圧力は、無数の原子や分子が猛烈な速さで飛び回り、手あたり次第に物にぶつかることで生まれます。
皮膚を押しているのは連続した力ではなく、途方もない回数の連打だというわけです。
ちなみに大気圏再突入で機体が高温になる主因は、空気が表面をこする摩擦ではありません。機体の前方にできる衝撃波で空気が急激に圧縮されて数千度に達し、その高温のガスが機体を熱するのです。表面近くで空気が引きずられて熱を出す効果もありますが、主役ではありません。/©サンライズ水に浮かべた微粒子が絶えず震え続ける「ブラウン運動」も、同じ体当たりの結果として説明されてきました。
ただし扱えるのは、あくまで多数の衝突をならした平均値です。
そして、その連打を一発だけ取り出して確かめることは、長いあいだできないままでした。
ただし、ふつうの測定で受け取れるのは、多数の衝突が重なった揺れです。
皮膚も、気圧計の針も、無数の衝突がならされた結果しか受け取れないからです。
それが長いあいだの当たり前でした。
しかしレーザーの光で微小な球を宙に浮かせる技術がでてくると、その当たり前が揺らぎました。
これは2018年のノーベル物理学賞になった、光で物をつまむ「光ピンセット」の技術が元になっています。
光ピンセットは、もともとは水中の微粒子や細胞をつかむために開発されましたが、現在では超高真空での微粒子の操作に持ち込まれ、浮遊光力学に発展しています。







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