情報を小出しに追加する「スライド」が学習効果を高める

3 日前 8

授業で使用する「スライド」は、「累積提示」と「一斉提示」のどちらが効果的?

スライドを使った授業では、学習者は教員の話を耳で聞きながら、画面上の文章や図、グラフを目で追わなければなりません。

ところが、完成したスライドを最初から表示すると、まだ説明されていない情報まで画面に並びます。

たとえば複数の線が描かれたグラフでは、学習者は内容を理解する前に、「先生がいま話しているのはどの線か」を探す必要があります。

探している間に説明が先へ進めば、音声と図の対応を見失い、重要な情報を十分に処理できない可能性もあるでしょう。

そこで東京理科大学の研究チームは、スライドの情報を説明に合わせて段階的に追加する「累積提示法」に注目しました。

研究には日本人大学生40名が参加し、累積提示法で学ぶグループと、完成版を最初から見せる「一斉提示法」のグループへ、20名ずつ無作為に分けられました。

参加者は事前テストを受けた後、生物の「個体群間の相互作用」を扱う20分24秒の授業動画を視聴しました。

授業は7枚のPowerPointスライドで構成され、教員の音声や説明内容は両グループで共通です。

異なっていたのは、図や文章を説明に合わせて順番に出すか、完成版を最初から表示するかという点だけでした。

授業後には20点満点のテストを行い、授業中の視線も専用装置で記録。

テスト成績は40名全員、視線データは十分な記録が得られなかった4名を除く36名分が分析されています。

その結果、累積提示法のグループは授業後のテスト成績が高く、説明に関係する箇所へ、より早く視線を向け、より長く見ていました。

スライドの見せ方で違いが出たのです。より詳しい結果を次項で見ていきましょう。

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