マンチェスター(CNN) 英イングランドの女性が夫から20年以上にわたり薬物を飲まされ、性的暴行を受けていた事件を巡り、マンチェスターで2日、女性の虐待に加わったり犯行を手助けしたりした罪で起訴された男9人の公判が始まった。
夫はイングランド北部ストックポートに住む60代の男。検察によると、被告は全員、オンライングループや性的パートナーの交換を目的としたサイトで夫と知り合ったという。
検察は「2023年以降、夫は実際に他の男を自宅に招き入れるようになり、妻がベッドで意識を失っている間に、自分や他の男が妻をレイプしたり、性的虐待を加えたりする様子を撮影していた」と指摘した。
テキストメッセージでのやり取りでは、不安になった被告の1人が、「フランスの男がどうなったか」を引き合いに出して夫に警告する場面もあった。これは妻へのレイプや性的暴行で他の男数十人とともに有罪判決を受けたドミニク・ペリコ受刑者を指す。事件はフランス社会に衝撃を与え、文化のあり方を問い直すきっかけとなった。
被害者の夫は9月、妻に対するレイプや性的暴行、意識を朦朧(もうろう)とさせ抵抗できなくさせることを目的とした薬物の投与など、複数の罪を認めた。妻のプライバシーを守るため、夫の実名を公表することはできない。夫はいまも勾留されており、量刑は後日言い渡される。
今回公判にかけられた男9人は、起訴内容を全面的に否認している。ただ、別の被告4人はすでに罪を認めた。
検察によると、夫は20年以上にわたって妻を性的に虐待していた。当初は、妻が飲酒して深い眠りに落ちた隙を狙っていたが、やがて暴行中に妻が目を覚まさないよう、「意識を朦朧とさせる複数の薬物を混ぜて」使用するようになったという。
夫はこうした虐待の動画や写真をインターネット上で他の男性と共有。男性たちは「(被害女性が)眠るか意識を失うかして、自分にどんなことが行われているか全く気付いていない様子なのを楽しんでいた」という。
法廷では、夫婦が44年間にわたって連れ添い、子ども2人をもうけていたことも明らかになった。
被告9人のうち7人は、被害女性の自宅を訪れた疑いがある。検察は「被告は全員、(被害女性が)自ら望んで参加しているわけではなく、同意もしていないことを認識していた。女性が自分たちの行為に同意しているとの認識は合理的に見て、被告らにはなかった」と主張した。
夫による虐待が発覚したきっかけは、潜入取材を試みた記者がオンライングループの一つに入り込んだことだ。検察側によると、「妻に薬を飲ませ、意識を失って何も分からない状態の時に、見知らぬ人を招いてレイプさせていると吹聴する」利用者がグループ内にいたという。
この利用者の身元は特定され、警察は捜索令状を取得。警察が複数の物品を押収したところ、その中に虐待の様子を記録した「100万点超の写真や動画」を保存したサムスンのスマートフォン「ギャラクシー」があった。
検察によると、被害女性は被告の誰一人として面識がなく、事情を理解して性的な関係を持ったこともないと証言している。
女性が自分の身に起きた虐待について初めて知ったのは、2025年10月のある午後、警察が自宅を訪れた時だった。その瞬間、女性が「それまで慣れ親しんでいた日常は終わりを告げた」と検察は言い添えた。

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