土地購入申請で差別か、「白人限定」の集落を提訴 米アーカンソー州

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(CNN) 米アーカンソー州の高原地帯に位置する人里離れた集落が、差別を理由に提訴されている。「白人限定」と目されるこの集落は、ある女性による現地の土地購入申請を退けていた。

ユダヤ系の血を引くミシェル・ウォーカー氏は、当該の集落を運営する団体「リターン・トゥー・ザ・ランド」から差別を受けたと主張。人種と宗教を理由に土地購入の機会を拒否されたとしている。訴状によるとウォーカー氏は黒人男性と結婚しており、二人種で構成された子どもがいるという。今回の訴訟では懲罰的な部類を含めた損害賠償を求めている。具体的な金額は明示していない。

CNNは昨年8月、面積約65ヘクタールのこの集落を訪れた。集落はアーカンソー州北部の田園地帯の奥深くに位置する。

当時、集落には約40人が居住しており、数百人が居住申請を行っていた。集落を組織した会員制団体「リターン・トゥー・ザ・ランド」のエリック・オーウォル会長がCNNにそう語った。

この集落に住むための条件として、オーウォル氏はCNNに対し次のように語った。「欧州の伝統や祖先を自認する人でなければならない。伝統的な欧州の価値観を尊重する必要もある。そうした価値観はキリスト教や北欧の多神教の宗教文書に由来する」

「ユダヤ人の起源は近東にあると認識している。したがって彼らは欧州系という区分には該当しない」(オーウォル氏)

訴状はウォーカー氏の申請が却下されたことについて、「長年連邦および州レベルで存在してきた公正住宅法に対する露骨かつ厚かましい違反」に当たると主張している。

訴訟では、リターン・トゥー・ザ・ランドの創設者たちが、白人は他の人種より遺伝的に優れていると信じていると主張。人種で分離した共同体の形成を提唱し、白人だけの国家を築こうとしていると述べている。それが「白人のジェノサイド(集団殺害)」を避けることにつながるという考えだ。

オーウォル氏はCNNに対し、リターン・トゥー・ザ・ランドを設立した目的について、「欧州系の人々を念頭に置いた共同体形成を促進するため」と説明。欧州に由来するあらゆる伝統、芸術が攻撃を受けない環境で子どもたちを育てたいと語った。

その上で、現代の米国において自身のルーツが攻撃されているという事実は「否定し難い」と指摘した。

オーウォル氏は、米国で白人が少数派となりつつある現状に「当然ながら」懸念を抱くと表明。自身が育った南ロサンゼルスでの思い出に言及し、周囲の大半が有色人種で疎外感を覚えていたと振り返った。

訴状によるとウォーカー氏は自身を白人と認識し、キリスト教の教会にも所属している。昨年夏、リターン・トゥー・ザ・ランドがアーカンソー州の土地を低価格で販売していることを知り、興味を持ったという。投資の可能性に加え、時折休暇を過ごしていたその立地にも関心を寄せていた。

集落の土地購入を申請した際、ウォーカー氏は自身の祖先や宗教、さらには夫や子どもたちに関する一連の質問を受けたことに驚いた。訴状によれば同氏はこうした対応について、連邦および州の公正住宅法に明らかに違反していると理解した。同法は土地売却の決定において、人種や宗教を考慮に入れることを禁じている。

申請書には移民問題や、同団体が「トランスジェンダー主義」と呼ぶもの、そして人種隔離に関する見解についても、入会希望者に尋ねる項目があった。

申請書を提出して間もなく、「リターン・トゥー・ザ・ランド」のメンバーがウォーカー氏に面接を行い、「『他の白人ナショナリスト団体』に所属しているかどうか」尋ねた。1カ月後、同氏が審査の進捗(しんちょく)を尋ねると、面接担当者は「申請が承認されるとは期待しない方がいい」と答えた。

訴状によると、共同体のポータルサイトには、ウォーカー氏の申請が受理されなかったことが記載されていたという。リターン・トゥー・ザ・ランドにとって「理想的な条件に合致しない」というのが理由だった。

首都ワシントンの公民権専門法律事務所などがウォーカー氏に代わって提起したこの訴訟は、リターン・トゥー・ザ・ランドによる差別的な住宅提供慣行を停止させ、州および連邦の公民権法違反に対する救済措置を求める内容だ。

CNNは、この訴訟に関するコメントを求めてオーウォル氏に連絡を取った。

訴訟を提起した法律事務所の一つ、リーガル・エイド・オブ・アーカンソーのリー・リチャードソン事務局長は、提訴を発表したプレスリリースの中で「白人限定の共同体は違法であり、差別的であり、容認できない」と述べた。

CNNが昨夏オーウォル氏を取材した際、同氏は自身の行っていることについて、何ら問題があるとは考えていないと語っていた。

「我々は集団で暮らしており、ここは全員の私有地だ。この国では、自由に結社する権利が認められている」(オーウォル氏)

ただ当時の段階で、オーウォル氏は現行法を引き合いに出し、今後の集落運営には法的な問題が生じることを見込んでいた。

「訴訟を起こされ、罰金を科されるだろう。様々なことが起こるだろう。だからこそ今、弁護士と相談し、その準備を進めている」。オーウォル氏はそう語っていた。

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