国防総省、中露の脅威受け核指針を見直し 抑止力を強化へ

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2019年10月2日に低速シャッタースピードで撮影され、米空軍が提供したこの画像は、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地で行われた非武装のミニットマン3大陸間弾道ミサイルの発射実験の様子を示している。スウェーデンのシンクタンクは2024年6月17日(月)、世界の核保有国9カ国は核兵器の近代化を続け、2023年には核抑止力への依存度をさらに高めるだろうと述べた。(JTアームストロング軍曹/米空軍提供、AP通信経由)

2019年10月2日に低速シャッタースピードで撮影され、米空軍が提供したこの画像は、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地で行われた非武装のミニットマン3大陸間弾道ミサイルの発射実験の様子を示している。スウェーデンのシンクタンクは2024年6月17日(月)、世界の核保有国9カ国は核兵器の近代化を続け、2023年には核抑止力への依存度をさらに高めるだろうと述べた。(JTアームストロング軍曹/米空軍提供、AP通信経由)

By Bill Gertz – The Washington Times – Tuesday, August 18, 2026

 米国防総省は、地域紛争で戦術核兵器を使用する際に大統領や軍幹部が取り得る選択肢を増やす一方、世界規模の核戦争へのエスカレーションを防ぐことを目指し、核兵器の使用に関する指針の見直しを進めている。エルブリッジ・コルビー国防次官(政策担当)が明らかにした。

 コルビー氏は、戦略軍のリチャード・コレル司令官と緊密に連携し、核兵器の「運用指針の見直し、あるいは再検討」に取り組んでいると述べた。

 詳細は機密扱いだが、コルビー氏は今月初め、ネブラスカ州オマハで開かれた戦略軍の会議での講演や発言で、その概要を明らかにした。

 「戦略的な抑止力を提供できなければならない。また、通常戦力と組み合わせた、能力があり信頼できる拡大抑止力も整備し、より幅広く、統合された、理にかなった戦略の一部として機能させなければならない」とコルビー氏は講演で述べた。

 見直しでは、中国が台湾侵攻で戦術核を使ったり、ロシアがウクライナに戦術核攻撃を行っても、米国は核兵器を使用しないだろうという誤った考えを持つことを防ぐのを目指している。

 米政府関係者によると、見直しの目的の一つは、米国よりはるかに多くの低出力核兵器を保有する中露両国に対する核抑止力を強化する方法を探ることだ。

 コルビー氏は、核戦力をより強力な米国の通常戦力と組み合わせ、同盟国やパートナー国の軍事的即応性を高めることも見直しの一環だと述べた。

 「核レベルでわれわれが行っていることは全て、『柔軟な対応』のために大統領の選択肢を広げることを目的としている」と同氏は述べた。柔軟な対応とは、通常戦力、戦術核、戦略核を組み合わせることで、核戦力による自動的な全面反撃への依存を減らす考え方だ。

 米国の核抑止力は現在、旧式化した戦略兵器システムと、中国、ロシアの核戦力や核兵器の進歩によって危機に瀕している。

 今回の見直しは、2022年に実施されたような大規模な「核態勢の見直し」とは違うとコルビー氏は説明した。米国の核兵器使用に関する基本方針にも変更はない。

 米国の核兵器使用の指針では、核兵器は米国と同盟国への核攻撃を抑止するためのものであり、使用は極めて重大な状況に限られるとしている。

 米国の核戦力については現在、大規模な近代化が進められており、「核の3本柱」を構成する地上発射型大陸間弾道ミサイル(ICBM)、戦略爆撃機、潜水艦から発射する核ミサイルの全てで更新が進められている。

 コルビー氏によると、今回の見直しは、戦略軍司令官の責任、ピート・ヘグセス国防長官の権限と指針、トランプ大統領の国防総省への指針を更新することに重点を置いている。

 現在の低出力核弾頭には、潜水艦発射ミサイル「トライデント2」に搭載される出力8キロトンのW76-2や、出力を調整でき、爆撃機B2や特別に改修された戦闘機F35から投下可能なB61-12がある。

 低出力核弾頭の運搬手段には、現在生産段階に移行している新型の空中発射型長距離スタンドオフ兵器(LRSO)巡航ミサイルや、2034年の配備が予定されている核弾頭搭載海上発射巡航ミサイル(SLCM-N)がある。

 国防総省は、大規模な核攻撃となる戦略的対軍事力攻撃だけでなく、「拒否的防衛」にも核兵器を使用できるよう選択肢の範囲を広げ、紛争のエスカレーションをより適切に管理することを重視している。

 コルビー氏は「繰り返すが、軽い気持ちで言っているわけではない。核の敷居を越えることになれば、歴史上類を見ない大惨事となる。誰もが極めて重大な問題として考えている。しかし、もしそのような事態になった場合、潜在的な敵にとって確実で、合理的で、効果的なものにするには、われわれが何らかの形で核兵器を使用する可能性があると相手に信じさせなければならない」と述べた。

 コルビー氏が最も懸念しているのは、限定的な地域紛争が核戦争に発展することだという。

 「私が特に恐れているのは地域紛争だ。局地的な通常戦争で、神に誓って起きてほしくないことだが、局地的に核兵器が使用され、それが外へと拡大し、エスカレートしていくような戦争だ」と説明した。

 「繰り返すが、これは大統領の選択肢を奪うものではない。信頼できる選択肢を加えるものだ」

 「こうしたことを踏まえ、戦争を避け、同盟国への約束を守るため、われわれはどう戦争に備えるべきなのか。いざという時に、問題の大きさに見合わない甚大な犠牲を伴う破局を招かず、また政治指導者が『そこまでの対応はしたくない』と判断してしまうこともないよう、理にかなった備えをしておく必要がある。後者の場合も、政治指導者が『想定していた事態とは違う』として対応をためらえば、戦略的な破局につながる」

 核戦略と核兵器の使用について検討が進められており、核兵器の使用指針では、基本的な相互確証破壊による戦略的抑止を維持するとともに、「下の段階につながるもの」も必要だとコルビー氏は述べた。

 コルビー氏は、民間部門にいた期間が長く、その間に、専門家の一部が「事態が制御不能になり、世界の終わりにつながる」との懸念から起こり得ないと退けてきた「限定戦争」に備える重要性を分析してきたと述べた。

 同氏はウクライナ戦争から得た教訓として、戦略的抑止と、確実な破壊を保証する第2撃能力を持つ大規模兵器の重要性を挙げる一方、「戦域能力も戦略能力も、どちらも必要だ」と述べた。

 「われわれが重視しているのは、兵器の射程ではない。合理的に使用できる限定的な選択肢であり、それによってわれわれが優位に立ち、エスカレーションを有利な形で管理できる可能性を高め、後戻りできない連鎖的なエスカレーションに陥らないことだ」

 中国についてコルビー氏は、中国が核兵器開発に乗り出したのは、「われわれが、朝鮮戦争や1950年代の台湾海峡危機の際に、積極的に核による威嚇を行ったと中国が感じた」ためだと述べた。

 中国は現在、核戦力を急速に増強しており、西部に300基以上の新たなICBM用サイロを建設している。米軍幹部はこの増強を「驚異的」と表現し、冷戦終結後では前例のない規模だとしている。

 コルビー氏は、中国は米国をアジアから追い出そうとしているが、米国はこの地域に大きな権益を持っているためそれはできないと指摘した。

 「だからわれわれはこの地域にとどまる。その権益と合理的に結び付いた戦略と戦力態勢を取る」

 コルビー氏によると、国防総省は「拒否戦略」と呼ぶ構想を策定している。これは地域の勢力均衡を維持し、「覇権国」の台頭を防ぐことを目指すもので、中国を念頭に置いたものだ。

 中国の軍備増強はかつてない規模であり、中国による台湾攻撃の計画は「非常に難しい軍事的課題」であり、「われわれに直接影響を及ぼす」とコルビー氏は述べた。

 米軍の軍事力、特に潜水艦は、こうした攻撃に対する強力な抑止力であり続けている。

 「われわれの潜水艦部隊を見てほしい。世界最高だ。それを軽い気持ちで言っているのではない。本当に破壊的な能力であり、それは技術の成果だ」と述べた。

 「海洋領域に進出すれば、(敵国は)われわれの潜水艦部隊と対峙することになる。それは非常に、非常に、非常に危険だ。空軍も同じだ。われわれのICBM部隊だけでなく、爆撃機の操縦能力や第5世代戦闘機の能力とも対峙することになる」と述べた。

 中国による台湾への軍事攻撃を抑止することは、1940年の英本土防空戦で勝利することに近く、1945年のベルリンへの進軍とは異なるとコルビー氏は述べた。

 「われわれがすべきことは、何者かが、断固とした抵抗を受けながらも、海を越えて侵攻し、作戦を継続するのを阻止することだけだ。それは非常に現実的な目標だ」

 国防総省は、日本や韓国のような国に対して拡大抑止を提供し、欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国も支援している。コルビー氏は、米国は「同盟国による核保有」には引き続き反対すると述べた。

 小泉進次郎防衛相は先月、中国と北朝鮮による核の脅威が高まる安全保障環境を踏まえ、日本が核兵器を保有するかどうかについて議論することは「避けられない」と述べた。

 トランプ政権は中国、ロシアとの軍備管理協議の再開も目指している。ロシアとの軍備管理協議はウクライナ侵攻を巡って中断しており、中国は核軍備に関する協議に参加するよう求める米国の要請に引き続き応じていない。

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