
この記事の要点
- UNDPとステラ開発財団が、ブロックチェーン決済の常設運用で新たな合意を発表
- 実証段階から通常業務へ移行し、人道支援や社会保障での活用拡大を推進
まずはステラ(Stellar/XLM)を詳しく
国連がブロックチェーン決済を本格採用へ
国連開発計画(UNDP)とステラ開発財団は2026年7月6日、ブロックチェーンを用いたデジタル決済を次の段階へ広げる新たな合意を締結したと発表しました。
今回の合意により、これまで各国で進められてきたブロックチェーン決済の実証は、UNDPの各国事務所が通常業務の一部として利用できる常設の仕組みへ移行し、人道支援や社会保障など幅広い事業への適用を目指すとしています。
両者は検証を終えた決済ソリューションの本格運用に向け、各国事務所への展開を進めるとともに、運用体制やガバナンスの整備にも取り組む方針です。
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検証完了、ステラ決済基盤が実運用段階に
17か国で調査、5か国で試験運用を実施
今回の合意に至るまで、UNDPとステラ開発財団は17か国で活用調査を実施し、ハイチ・シリア・ケニア・グアテマラ・ガンビアの5か国で試験運用を進めながら、各国事務所や関係者との協議を16か月にわたって重ね、通常業務へ導入できる決済基盤の整備を進めてきました。
その取り組みはUNDPのオルタナティブ・ファイナンス・ラボ(AltFinLab)が主導する「SDGブロックチェーン・アクセラレーター」のもとで進められ、ステラ(Stellar)上に構築した決済ソリューションを開発事業へ適用する仕組みづくりが進められています。
こうした取り組みは現在も続いており、コロンビアとパプアニューギニアでは次の段階に向けたソリューションの試作が進められています。
コスト削減と通信断対応、2つの実証成果
検証の中で成果が明確に表れた事例の一つがシリア・アレッポで、UNDPは就労支援を通じた現金給付の支給履歴をブロックチェーン上で管理し、資金の約10%に達していた配布コストを約2%まで削減しました。
対象者全員が支援金を受け取って現金化できたことも確認され、資金が最終的にどこへ届けられたのかを追跡できる記録が残ることで、支援事業全体の透明性向上にもつながっています。
一方、通信環境の制約が大きいハイチでは、携帯通信網が完全に途絶した状況でも100%の成功率で決済を完了し、通信環境に制約がある地域でも利用できる決済システムとしての有効性が確認されました。
UNDPは2026年前半の報告書でもこれらの成果を紹介し、紛争地域への支援や送金など、従来の決済手段では対応が難しかった場面で活用できる基盤として位置付けています。
実運用への移行体制と両者の展望
こうした成果を踏まえ、UNDPとステラ開発財団は実運用への移行に向けて、ガバナンス体制や各国事務所向けの運用手順、利用者保護のための安全対策を整備しながら、検証を終えたソリューションを順次通常業務へ組み込む計画です。
運用にあたっては、ステラ開発財団がネットワークやプロトコルに関する技術支援とエコシステム全体の調整を担い、UNDPが各国での実装や日常的な運用を担当する役割分担を採るとしています。
UNDPオルタナティブ・ファイナンス・ラボのロバート・パシツコ氏は「従来の仕組みでは届かなかった人々に、最も対応が難しい地域で決済を届けられることを示した」と述べています。
そのうえで同氏は、今後は各国事務所が実証段階ではなく、通常業務の一部として利用できる体制を整えることが重要になるとの考えを示しました。
ステラ開発財団で最高法務責任者を務めるキャンディス・ケリー氏も「オープンな公共ブロックチェーン基盤に何ができるかを示せた」と語り、UNDPとの協力を通じて今回の成果を開発金融や人道支援で継続的に利用できる仕組みへ発展させる方針を明らかにしました。
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2027年まで協力継続、運用手引きを策定へ
今回の合意は2027年まで継続され、実証結果をまとめた資料の作成に加え、各国での導入手順を整理した運用手引き(スケーリング・プレイブック)の策定や各国事務所への正式な引き継ぎを進める予定となっています。
その期間中も、ステラ開発財団は技術面の助言やエコシステム全体の調整を担い、UNDPは特定の事業や資金に依存しない形で各国における実装と運用を担当しながら、検証を終えた決済ソリューションの本格展開を進めていきます。
2027年には、各国で蓄積された運用実績を基にした資料とスケーリング・プレイブックが公開され、各国事務所への展開を支える指針として活用される見通しです。
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Source:UNDP公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

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