(CNN) 大統領の肖像入り硬貨に関する法律を素直に読めば、存命中の大統領を通貨にあしらってはいけないということになる。それにもかかわらず、トランプ米大統領の肖像は描かれている。トランプ政権下の財務省が記念硬貨に関する別の法律を利用したからだ。
法律は、大統領が議会の承認なしに60日を超えて米軍を戦闘に従事させてはならないと定めている。米国はイランとの紛争に6カ月以上関与しているが、政権はこの戦争には中断期間があったと主張している。民主・共和両党の過去の大統領もこの要件をかいくぐってきたが、トランプ氏による対イラン戦争ほどのものはなかった。
ジョン・ロバーツ連邦最高裁長官は、トランプ氏がホワイトハウスの一部を取り壊し、別の建物を建設することについて「違法である可能性が高い」と指摘。それでも、トランプ氏が利用するための宴会場の完成に向け、工事は昼夜を問わず続いている。

ホワイトハウスでは宴会場の建設に加え、南庭に大統領専用ヘリ用のヘリパッド建設も進められている=1日/Saul Loeb/AFP/Getty Images
アーリントン国立墓地に隣接して凱旋門を建設するには、法律上、議会の承認が必要になるとみられる。だが政権はそれを待つことなく、内務省は近く掘削工事を始める構えのようだ。
法律は、犯罪の容疑者を裁判なしに死に至らしめてはならないと定めている。それでも米軍は、カリブ海や太平洋で麻薬密輸に関与したとされる多数の船舶を排除している。
法律は、国際開発局(USAID)、教育省、消費者金融保護局(CFPB)といった連邦政府機関を議会が設置すると定めている。それでもトランプ氏は、資金を枯渇させたり、完全に廃止しようとしたりすることで、一部の機関を閉鎖しようとしてきた。
法律は、資金をどこに配分するかは議会が決めると定めている。それでもトランプ政権は、単に意見が合わないという理由で研究資金や援助資金を削減した。
法律は、連邦準備制度理事会(FRB)は独立して運営されるものと定めているが、トランプ氏はFRBに利下げを迫ろうとしている。最近では、主要貿易相手国との貿易を停止すると脅し、圧力をかけた。
こうした事案は枚挙にいとまがなく、トランプ政権は必要に迫られるたびに複雑な法的主張を展開してきた。
裁判所で敗北した場合でさえ、トランプ政権はどこまでも法の抜け道を探してきた。
判事は、法律を無視してケネディ・センターの施設名にジョン・F・ケネディ元大統領と並べてトランプ氏の名前を掲げることはできないと判断した。だが政権はそれでも名前を追加する計画で、改修工事をトランプ氏の功績とする銘板を設置しようとしている。そして建物に名前を掲げられないなら、建物全体を取り壊すと警告している。
大統領には取り壊す権限がないとされる建物を取り壊すというやり方は、まさにこの政権そのものを想起させる行為といえる。いったん何かがなくなれば、それで終わりだ。なくすこと自体が違法だったかどうかは関係ない。

1 時間前
1



English (US) ·
Japanese (JP) ·