
仮想通貨取引所の手数料は、売買時の料率だけを比べても実際の負担は判断できません。日本円の出金では無料から1回407円まで差があるほか、取引所形式では指値注文の約定によって手数料を受け取れるケースもあり、利用する取引所や取引方法によってコストは大きく変わります。
この差を生むのが、取引所形式の売買手数料だけでなく、販売所のスプレッド、日本円の入出金、仮想通貨の送金まで含めた複数のコストです。
売買を繰り返すのか、利益を定期的に出金するのか、外部ウォレットへ資産を移すのかによって負担する項目が変わるため、手数料の安い取引所も利用方法によって異なります。
この記事では、国内主要7社を対象に、取引手数料・日本円の入出金手数料・仮想通貨の送金手数料を2026年8月時点の各社公式情報に基づいて比較しました。
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仮想通貨取引所の選び方
仮想通貨取引所で発生する4つの手数料
仮想通貨取引所では、売買時の取引手数料やスプレッドに加え、日本円の入出金や仮想通貨の送金でも費用が発生します。
大きく分けると「取引所形式の取引手数料」「販売所形式のスプレッド」「日本円の入出金手数料」「仮想通貨の送金手数料」の4種類となり、どこで費用がかかるかは取引方法や資産の動かし方によって異なります。
とくに仮想通貨取引所の販売所では、取引手数料を無料としていても、提示される買値と売値の差がスプレッドとして実質的な負担になります。売買だけでなく入出金や送金にも費用が発生することから、取引所を比較する際は「手数料無料」の対象範囲まで確認することが重要となります。
取引所形式のMaker・Taker手数料
利用者同士の注文を板(オーダーブック)で売買する取引所形式では、注文が約定した際に所定の取引手数料が差し引かれます。料率はMaker(メイカー)とTaker(テイカー)に分けられ、新たな指値注文を板に並べるMakerに対し、すでに並んでいる注文を約定させる側がTakerとなっています。
国内ではMakerの料率をTakerより低く抑える取引所が多く、bitbank(ビットバンク)やSBI VCトレードでは一部の取引にマイナス料率を採用しています。対象となる指値注文が約定すると手数料相当額を受け取れる仕組みで、取引を重ねるほどMakerとTakerの料率差が支払総額に反映されます。
販売所のスプレッドは隠れたコスト
取引所が提示した価格で売買する販売所形式では、購入価格と売却価格の間にスプレッドと呼ばれる差が設けられます。Coincheck(コインチェック)は販売所の手数料相当額を通常0.1〜5.0%、一部銘柄では2.0〜6.5%としており、取引手数料が無料でもスプレッド分のコストが売買価格に含まれます。
スプレッドは常に同じ幅ではなく、相場が大きく動いた局面などで拡大することもあります。1万円分を1.0%のスプレッドで往復売買すると約200円、5.0%では約1,000円となり、同じ5.0%なら10万円分で約1万円、100万円分では約10万円まで増加します。
外部送金で発生する出庫手数料
購入した仮想通貨を別の取引所や自分のウォレットへ移すと、取引所が設定した送金手数料が差し引かれます。
ビットコイン(BTC)では一定額を設定するケースがある一方、コインチェックはネットワークの状況に応じた変動制を採用しており、イーサリアム(ETH)やエックスアールピー(XRP)を含め、通貨や取引所によって料金体系に違いがあります。
SBI VCトレードやGMOコインでは主要な仮想通貨の送金手数料を無料としており、外部ウォレットや別の取引所へ資産を移す際の負担を抑えられます。送金のたびに手数料が発生する取引所との差は移動回数に応じて積み上がるため、資産を頻繁に動かす場合ほど料金設定の違いが表れます。
国内主要7社の手数料比較【2026年最新】
国内主要7社の手数料を比べると、取引所形式の売買ではMakerがマイナス料率となるケースがある一方、日本円の出金では無料から770円まで差が開いています。
以下の比較表では、2026年8月時点で各社が公表している取引所形式のMaker・Taker手数料と、日本円の入出金手数料をまとめました。販売所のスプレッドや仮想通貨の送金手数料は利用する銘柄や条件によって異なるため、表に続いて項目ごとの違いを詳しく比較します。
| Coincheck | 0.0%/0.0% (主要銘柄) |
銀行振込 無料 クイック 1,018円〜 |
407円 |
| bitbank | 0.00%/0.10% (BTC/JPY) |
無料 | 550円/770円 (3万円以上) |
| BitTrade | 0.00%/0.10% | 無料 | 330円 |
| SBI VCトレード | -0.01%/0.05% | 無料 | 無料 |
| OKJ | 0.07%/0.14%〜 (取引量で逓減) |
無料 | 400円〜 |
| GMOコイン | -0.01%/0.05% (主要銘柄) |
無料 | 無料 (大口 400円) |
| Binance Japan | 0.10%/0.10% | 無料 | 110円 |
※日本円入金の「無料」は取引所側の手数料を指し、振込を行う銀行側の振込手数料は利用者負担になります。
【各数値の出典】
・Coincheck
・bitbank
・SBI VCトレード
・OKJ
・GMOコイン
・Binance Japan
取引手数料とスプレッドの差
取引所形式では、SBI VCトレードとGMOコインがMakerをマイナス0.01%に設定しており、指値注文が約定すると約定額の0.01%相当を受け取れます。ビットバンクでもXRP/JPYやETH/JPYなどの主要ペアにMakerマイナス0.02%・Taker0.12%が設定され、指値注文と成行注文で支払う手数料に差が生じます。
ビットトレードは2025年12月の改定でTakerを0.10%へ引き上げる一方、Makerは0.00%を据え置きました。100万円分を成行で売買すると、Taker0.05%のSBI VCトレードでは500円、0.14%のOKJでは1,400円となり、1回の約定で900円の差が出ます。
バイナンスジャパンでは一般ユーザーのMaker・Takerがともに0.10%、OKJでは取引量が少ない区分でMaker0.07%・Taker0.14%から設定されています。販売所で売買するとMaker・Taker手数料ではなく買値と売値の差であるスプレッドが生じるため、同じ取引所でも板取引と販売所では支払うコストが変わります。
日本円の出金で差が開く手数料
日本円の通常出金では、SBI VCトレードとGMOコインが無料としているのに対し、バイナンスジャパンは1回110円、コインチェックは407円、ビットバンクは3万円未満550円・3万円以上770円、ビットトレードは1,000万円未満330円となっています。
GMOコインでは大口出金に400円がかかるため、出金額や回数によっても支払総額に差が出ます。たとえば407円の出金を毎月1回行えば年間4,884円、770円なら年間9,240円となり、通常出金が無料の取引所との差は回数を重ねるほど広がります。
日本円の入金では取引所側の手数料を無料とするケースが多いものの、コインチェックのクイック入金は1,018円からとなり、コンビニ入金やペイジー入金にも所定の料金がかかります。銀行振込を利用する場合も金融機関側で振込手数料が発生することがあるため、取引所側の「入金無料」だけで実際の支払額がゼロになるとは限りません。
送金手数料は無料から変動制まで
仮想通貨を外部へ送る場合、SBI VCトレードとGMOコインではBTC・ETH・XRPを含む主要銘柄の送金手数料が無料となっています。
一方、ビットバンクではBTCが0.0006BTC、ETHが0.005ETH、XRPが0.1XRPと、銘柄ごとに固定額の送金手数料を設定しています。同じ1BTCを外部へ送る場合、ビットバンクではでは0.0006BTCが差し引かれるのに対し、SBI VCトレードやGMOコインでは取引所が設定する送金手数料はかかりません。
コインチェックのBTC送金手数料には0.0005〜0.016BTCの変動制が採用され、適用される金額はネットワークの状況によって変わります。固定額・変動制・無料と取引所ごとに設定が分かれているため、外部ウォレットや別の取引所へ仮想通貨を移す頻度が高いほど、売買手数料とは別に送金時の差も積み重なります。
仮想通貨取引所別に見る料金体系の違い
ここからは国内主要7社について、取引手数料だけでなく、日本円の入出金や仮想通貨の送金まで含めて各社の違いを個別に確認します。
売買を重ねる場合はMaker・Takerの料率、現金化が多ければ日本円の出金手数料、外部へ資産を移すなら送金手数料と、利用方法によって負担する費用が変わります。前項の比較表を踏まえ、それぞれの料金体系を順番に見ていきます。
Coincheck(コインチェック)
コインチェックは主要銘柄の取引所形式でMaker・Takerをともに0.0%としており、対象となる板取引では売買手数料がかかりません。日本円の出金には407円がかかるほか、販売所では0.1〜5.0%の手数料相当額が設定されているため、板取引と販売所で売買時のコストが異なります。
販売所では提示された価格でそのまま売買できる一方、費用を比べる際には買値と売値の差であるスプレッドも含めて確認する必要があります。口座開設はこちらから申し込めます。
bitbank(ビットバンク)
ビットバンクはXRP/JPYやETH/JPYなどの主要ペアでMakerをマイナス0.02%・Taker0.12%に設定しており、対象となる指値注文が約定すると約定額の0.02%相当を受け取れます。日本円の出金には3万円未満で550円・3万円以上で770円がかかり、仮想通貨の送金にもBTC0.0006BTC・XRP0.1XRPなど銘柄ごとの手数料が設定されています。
板取引でMakerを利用する場合は約定ごとにマイナス料率の恩恵を受ける一方、日本円の出金や仮想通貨の送金では所定の手数料が発生します。口座開設はこちらから手続きを進められます。
BitTrade(ビットトレード)
ビットトレードは2025年12月の改定で取引所形式のTakerを0.10%へ引き上げ、Makerは0.00%を維持しました。日本円の出金は1,000万円未満で330円(税込・1日2回まで)、クイック入金は無料となっています。最新の料率は公式ページで確認できます。
Makerでは売買手数料がかからず、日本円を出金する際には1,000万円未満で1回330円が発生する料金体系となっています。口座開設はこちらから登録できます。
SBI VCトレード
SBI VCトレードは取引所形式でMakerマイナス0.01%・Taker0.05%を採用し、日本円の入出金とBTC・ETH・XRPの送金をいずれも無料としています。指値注文の約定ではMakerのマイナス料率が適用され、日本円の出金や対象となる仮想通貨の送金では取引所側の手数料がかかりません。
売買だけでなく日本円の出金や仮想通貨の送金まで手数料を抑えた料金体系となっており、資産を口座外へ移す回数が増えても取引所側の出金・送金手数料は発生しません。口座開設はこちらから口座を開設できます。
OKJ(OKCoinJapan)
OKJは取引量に応じて取引手数料が変わる段階制を採用し、標準のLv1ではMaker0.07%・Taker0.14%、取引量が増えて上位区分へ移ると料率が下がります。日本円の入金は無料、100万円未満の出金には400円がかかるほか、保有資産を預けて報酬を受け取るステーキングも提供されています。
固定料率ではなく取引量に応じてMaker・Takerの料率が変わるため、適用される手数料は利用者の取引実績によって異なります。口座開設はこちらから申込みを進められます。
GMOコイン
GMOコインは主要銘柄の取引所形式でMakerマイナス0.01%・Taker0.05%を採用し、日本円の即時入金・通常出金に加えてBTC・ETH・XRPの送金手数料も無料としています。日本円の大口出金には400円がかかりますが、通常出金と対象となる仮想通貨の送金では取引所側の手数料が発生しません。
指値注文の約定ではMakerのマイナス料率が適用され、通常の日本円出金や対象銘柄の送金にも手数料がかからない料金体系を採用しています。口座開設はこちらから申し込めます。
Binance Japan(バイナンスジャパン)
バイナンスジャパンは一般ユーザーの取引所形式でMaker・Takerをともに0.10%に設定し、国内最多クラスの銘柄を取り扱っています。日本円の出金手数料は公式FAQで1回110円と案内されており、取引量などの条件を満たすと通常より低い取引手数料が適用されます。
一般ユーザーのMaker・Takerは同率ですが、取引量などに応じた手数料体系も設けられており、日本円の出金は1回110円で利用できます。口座開設はこちらから登録できます。
国内仮想通貨取引所おすすめ7選
手数料で損しない仮想通貨取引所の選び方
取引所を手数料で比較する際は、すべての項目が安いかどうかではなく、自分の取引で繰り返し発生する費用を確認することが重要です。
売買回数が多ければMaker・Takerの料率、現金化を繰り返すなら日本円の出金手数料、外部ウォレットを使う場合は送金手数料と、利用方法によって優先する項目が変わります。
少額の現物売買を繰り返す場合は販売所のスプレッドを避け、取引所形式でMaker・Takerの料率が低いコインチェックやビットバンクを使うことで売買時のコストを抑えられます。積立や長期保有を中心に日本円の出金や仮想通貨の送金も行う場合は、入出金・送金をまとめて無料とするSBI VCトレードやGMOコインとの差が出てきます。
たとえば月10回ずつ利益を現金化すると、出金手数料が407円のいコインチェックでは年間4万8,840円、110円のバイナンスジャパンでは1万3,200円かかる一方、通常出金が無料のSBI VCトレードやGMOコインではこの費用が発生しません。取扱銘柄を優先する場合はビットトレードやバイナンスジャパンも選択肢に入り、仮想通貨の始め方とあわせて、売買・積立・送金など用途ごとに口座を使い分ける方法もあります。
取引で利益が出た場合は仮想通貨の税金・確定申告の対象になるため、年間の収支を確認する際には売買や入出金で支払った手数料とあわせて税務上の扱いも確認しておきましょう。
売買・出金で手数料を抑えるコツ
取引所を変えなくても、販売所と取引所形式のどちらで売買するか、注文をどのように出すかによって支払う金額は変わります。販売所のスプレッドを避けて取引所形式の板取引を選ぶほか、SBI VCトレードやGMOコイン、ビットバンクなどでマイナス料率の対象となる指値注文が約定すれば、手数料を支払う代わりに約定額に応じた金額を受け取れます。
日本円を出金する回数を減らす方法も、固定額の手数料が設定されている取引所では効果があります。1回ごとに手数料がかかる場合は少額を何度も引き出すよりまとめて出金する方が支払回数を減らせるほか、現金化を頻繁に行う場合は通常出金が無料のSBI VCトレードやGMOコインを利用すると出金手数料が発生しません。
仮想通貨を外部へ移す場合は、取引所が設定する送金手数料が固定額なのか、ネットワークの状況に応じて変わるのか、無料なのかを事前に確認する必要があります。送金回数が多ければ1回ごとの手数料が積み重なるため、外部ウォレットや複数の取引所を利用する場合は売買手数料とは分けて送金コストを確認しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
手数料で最も差がつく項目は?
取引所による違いが大きい項目の一つが、日本円の出金手数料と仮想通貨の送金手数料です。日本円の通常出金ではSBI VCトレードやGMOコインが無料なのに対し、Coincheckは407円、bitbankは3万円未満550円・3万円以上770円がかかります。仮想通貨の送金も無料・固定額・変動制と料金体系が分かれており、出金や送金を繰り返すほど支払総額の差が広がります。
手数料無料なら実際のコストもゼロ?
取引手数料が無料でも、販売所で仮想通貨を売買すると提示される買値と売値の間にスプレッドが生じます。Coincheckでは販売所の手数料相当額として通常0.1〜5.0%が示されており、「取引手数料無料」と表示されていても売買価格の差までゼロになるわけではありません。売買にかかる金額を比較する際は、取引手数料だけでなく販売所のスプレッドも確認する必要があります。
Makerのマイナス手数料とは?
Makerのマイナス手数料では、板に出した対象の指値注文が約定すると、手数料を支払う代わりに約定額に応じた金額を受け取れます。SBI VCトレードやGMOコインでは主要銘柄のMakerをマイナス0.01%としており、100万円分が対象料率で約定した場合に受け取る金額は100円です。すでに板に並んでいる注文を約定させるTakerには別の料率が適用されるため、同じ取引所でも注文方法によって手数料が変わります。
送金手数料無料なら費用はゼロ?
「送金手数料無料」と案内されている場合は、まず取引所がどの費用を無料としているのか確認する必要があります。SBI VCトレードやGMOコインではBTC・ETH・XRPを含む主要銘柄の送金手数料を無料としている一方、対象となる銘柄や送金条件は各社で異なります。仮想通貨を外部へ移す前に、利用する取引所の最新の送金手数料と対象銘柄を公式ページで確認してください。
手数料の安さだけで選んで大丈夫?
取引所を選ぶ際は手数料だけでなく、取扱銘柄、利用できる取引形式、セキュリティ対策、入出金方法なども比較する必要があります。たとえば板取引を繰り返す場合と、積立後に長期保有する場合では頻繁に発生する費用が異なるため、同じ取引所でも利用方法によってコストの差が変わります。
仮想通貨の手数料比較まとめ
仮想通貨取引所で発生する主な費用には、取引所形式の売買手数料、販売所のスプレッド、日本円の入出金手数料、仮想通貨の送金手数料があります。取引手数料が無料でも販売所ではスプレッドが生じるほか、日本円の出金や仮想通貨の送金にも料金が設定される場合があるため、売買から資産移動まで含めて比較する必要があります。
2026年8月時点では、SBI VCトレードとGMOコインが主要銘柄のMakerをマイナス0.01%とし、通常の日本円出金やBTC・ETH・XRPの送金にも無料の項目を設けています。bitbankでは一部の主要ペアでMakerマイナス0.02%が適用される一方、日本円の出金や仮想通貨の送金には所定の手数料がかかります。
各社の料率や無料となる条件は変更される場合があるため、実際に利用する際は公式ページで最新の手数料を確認してください。
取引所の選び方と始め方・税金
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