
この記事の要点
- ロシア中銀総裁がデジタルルーブルの導入準備完了を表明
- 9月1日から主要銀行・大手小売で運用開始、QR決済を導入
ロシアCBDC「技術的にはすべて整っている」
2026年7月2日、ロシア中央銀行のエリヴィラ・ナビウリナ総裁が、デジタルルーブルの本格導入に向けた準備は完了したと表明したことが、国営通信社TASSの報道で明らかになりました。
サンクトペテルブルクで開かれた金融コングレスのブリーフィングで、同総裁は「技術的にはすべて整っている。この段階に向けて大規模な準備作業を進めてきた」と述べました。
ロシアでは2026年9月1日からデジタルルーブルの大規模導入が始まり、主要銀行が決済基盤へ接続するとともに、大手小売企業でも支払い手段として受け入れを開始する予定です。
下院、仮想通貨規制法案を可決
9月開始の大規模導入、対象範囲と拡張構想
第3の通貨形態と銀行・店舗の対応期限
ロシアでは2026年9月1日からデジタルルーブルの大規模導入が始まり、現金や銀行預金と並ぶロシア通貨の第3の形態となる中央銀行デジタル通貨(CBDC)が、ロシア中央銀行のプラットフォーム上で発行される体制へ移行します。
導入日程は2025年7月に議会下院で可決された法律に基づいており、これまでパイロット参加行と一部利用者に限られていた運用範囲が、9月1日から一般向けへ拡大されます。
制度開始と同時に、最大手の各銀行は口座開設・送金・支払いなどのデジタルルーブル取引を顧客へ提供することが義務付けられ、大手銀行と取引があり前年売上高1億2,000万ルーブル(約2.5億円)を超える販売事業者も、同日までに受け入れ体制を整える必要があります。
決済には国家決済カードシステム(NSPK)が提供する共通規格「ユニバーサルQRコード」が採用され、参加する銀行は9月1日までに対応を完了する予定です。
アプリで口座開設・送金、店舗QR対応
運用開始に合わせて、大手銀行の利用者は普段利用している銀行アプリからデジタルルーブル口座を開設し、送金や店舗での支払いが利用できるようになるとロシア中央銀行は説明しています。
口座は各銀行ではなくロシア中央銀行のプラットフォーム上で管理され、個人利用にかかる手数料は無料とされるほか、口座を開設するかどうかも利用者本人の判断に委ねられます。
一方で、受け入れ義務の対象となる小売・サービス事業者には、既存のレジや決済端末をQRコード決済へ対応させる準備が求められ、年間売上高500万ルーブル(約1,050万円)未満の店舗とインターネット接続のない販売拠点は対象外と定められました。
ウォレット構想とスマートコントラクト活用
本格導入後を見据え、ナビウリナ総裁は制度の拡張についても言及しました。
現行制度では各銀行が利用者とロシア中央銀行のプラットフォームをつなぐ役割を担っており、総裁は「中央銀行のバランスシートだけでなく、銀行のバランスシート上でウォレットを開設する試験導入の可能性についても銀行と協議している」と述べています。
そのうえで「このプロジェクトは発展途上にある。デジタルルーブルが人々とビジネスに実際に必要とされる “便利な存在” であってほしい」と語り、利用者や企業のニーズを踏まえながら機能の追加を検討していることを明らかにしました。
企業向け機能ではスマートコントラクト(自動執行型の契約プログラム)の活用を有力な用途の一つに位置付けており、具体的な利用方法についても銀行との協議を進めています。
仮想通貨が「日常的な存在」に
CBDC・ステーブルコインでルーブルデジタル化
ロシアではデジタルルーブルの制度整備に加え、国営企業Rostec(ロステック)がルーブル連動型ステーブルコイン「RUBx」の発行を計画するなど、官民の双方でルーブルのデジタル化を進めています。
デジタルルーブルの受け入れ義務も段階的に拡大する方針で、2027年9月には前年売上高3,000万ルーブル(約6,300万円)超、2028年9月には2,000万ルーブル(約4,200万円)以上の事業者へ対象範囲が広がる予定です。
ロシア中央銀行は制度の運用開始後も対象事業者を段階的に拡大する計画としており、銀行バランスシート上のウォレットや企業向けスマートコントラクトについても銀行側との協議を継続しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ルーブル=2.08 円)
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Source:TASS報道
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

2 時間前
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