By Jack Guy and Saskya Vandoorne
(CNN) フランス南部のルノワール美術館で8日、窃盗犯が5分足らずの間に絵画4点を盗み、2点を残して逃走する事件があった。芸術品や文化財を狙った強盗は相次いでいる。
事件をきっかけに、文化施設の警備強化を求める声が噴出。地元の市長室はフランス政府に対し「ますます組織化をされた大胆不敵な犯罪者たち」から所蔵品を守るためとして、追加資金の提供を求めた。
美術館が所在するカーニュシュルメールのマッソン市長はフェイスブックへの投稿で、現地時間8日午前5時48分に美術館の警報が鳴り、5分後に警察が現場に到着したと明らかにした。
市長室が発表した声明によると、美術館に展示されていた印象派の画家ルノワールの作品12点のうち4点が盗まれた。犯行グループは逃走する際、2点を「残していくことを余儀なくされた」という。
副市長がCNNに明かしたところによると、行方が分からなくなっている2点の絵画は200万ユーロ(約36億円)相当の「コロンナ・ロマーノ夫人の肖像」と、20万ユーロ相当の「井戸端の若い女性」。
「マダム・ピションの肖像」と「読書するココ」の2点は回収された。

行方が分からなくなっている「コロンナ・ロマーノ夫人の肖像」/Renoir Museum

「井戸端の若い女性」も行方が分かっていない/Renoir Museum
右派政党「国民連合(RN)」に所属するマッソン氏は記者団に対し、犯人たちは「装備万全で、周到に準備していた」とコメント。「所持していた電動ノコギリを使い、ルノワール作品の額縁を固定していた取り付け具を切断した」と付け加えた。
警備強化を求める声
市長室は警察の「プロ意識と迅速な対応」を称賛した。
「盗まれた作品の回収と不法侵入に関与した者の逮捕に手を尽くしている」とも説明。今回の窃盗は「芸術作品を狙った新たな形態の組織犯罪に直面するわれわれ美術館の保護に関する警鐘と受け止めるべきだ」と付け加えた。
さらに「地元当局だけでは、増大する美術館の警備費用を負担することは不可能だ」と訴えた。

「マダム・ピションの肖像」/Renoir Museum
市長はまた、フランスの美術館の警備体制を強化するよう要請した。
マッソン氏はこれに先立ちフェイスブックで「ルノワール美術館への襲撃は、カーニュシュルメールの歴史と遺産の一部に対する攻撃に等しい」「こうした事件はとりわけ深刻だ」と指摘していた。

「読書するココ」/Renoir Museum
CNNはルノワール美術館とフランス文化省にコメントを求めている。
米ノーステキサス大学の教授を務める美術犯罪史家、ローラ・エバンス氏はCNNの取材に、「ルノワールは前世紀に最も頻繁に盗難に遭った芸術家の1人だ」と述べ、1951年と85年、90年、00年、そして今年3月にも盗難事件が発生したと指摘した。
「ルノワールの作品は小ぶりで持ち運びしやすく、一目でそれと分かるケースが多いため、窃盗犯からは格好の標的とみなされている。ただ、一目で分かるがゆえに、売りさばくのは不可能だ」
この結果、過去数十年の間に盗まれた他のルノワール作品はすべて戻ってきた。「今回の盗難についても同じことが起きるのを願っている」という。
「たった数人の人間が、数分間のうちに、私たち全員にとっての損失を生み出してしまう」「盗まれるのは絵画だけではない。将来の全ての来館者がその前に立ち、ルノワール作品と心を通わせる機会そのものだ」(エバンス氏)
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原文タイトル:Thieves steal four Renoir paintings from French museum, dropping two as they flee (抄訳)

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