(CNN) モナコの集合住宅で先月29日、小包爆弾が爆発し、3人が負傷した。当局が明らかにした。ウクライナ出身の実業家を狙った暗殺未遂を受け、モナコとフランス全域で大規模な捜索が行われている。
CNNのフランス提携局BFMTVは、爆発の標的は実業家のバディム・イエルモライエフ氏(58)だったと報じた。イエルモライエフ氏は祖国を離れ、2019年にウクライナ国籍を放棄している。
地元当局は被害者の身元を公表せず、少なくとも21年からモナコに居住していた成人男性と述べるにとどめた。しかしウクライナ外務省は声明で、「地元の救急当局によれば」、爆発で負傷した3人は「ウクライナ系の家族」だったと明らかにした。
ウクライナの公共放送は30日、イエルモライエフ氏の妻が爆発当時現場におらず、当局の捜査に協力していると話したと報じた。
モナコのステファヌ・ティボー検事総長は30日の記者会見で、この爆破を「暗殺未遂」と呼び、テロの可能性を否定した。
ティボー氏によると、身元不明の容疑者が29日午後9時直前、集合住宅内に小包爆弾を置いた。爆弾はその直後、1階に住む3人が帰宅した際に爆発したという。当局によると、成人2人と子ども1人が負傷し、フランス・ニースの病院に搬送された。
さらに2人が建物の外の路上でガラス片により負傷した。
イエルモライエフ氏は、旧ソ連崩壊後の混乱期にウクライナ南東部のドニプロで財を成した。主な事業分野は不動産で、ウクライナ有数の富豪に名を連ねたこともあった。
公開されている文書によると、オリガルヒ(大富豪)であるイエルモライエフ氏は現在、キプロスの国籍を持つ。フォーブス誌ウクライナ版によると、ウクライナ国籍を放棄したのは「国際的な保護」を求めたためで、「ウクライナの司法制度は控えめに言っても完全ではなく、税制も客観的ではない」と発言している。
被害にあった成人の1人は重体を脱したものの、2人は依然として重体だという。
暗殺未遂の動機は不明のままだ。イエルモライエフ氏とウクライナでの戦争に明らかな関連はない。同氏はロシア占領下のクリミアで事業を行ったとして、23年12月にウクライナから制裁を科されたが、本人はウクライナメディアの取材でこの疑惑を否定していた。
イエルモライエフ氏の息子は4月、エストニアで詐欺の有罪判決を受けた。禁錮5年が言い渡されたが、わずか4カ月の刑期を終えた後にエストニアから国外退去となる司法取引に合意した。
モナコと国境を接するフランスの町ボーソレイユの町長が記者会見で述べたところによると、容疑者がこの町に逃走する様子がカメラに捉えられていた。AP通信が伝えた。
BFMTVは容疑者とされる人物の写真を共有した。
政府によると、警察官84人と、フランスとモナコの消防士約50人が現場に派遣された。40人ほどのフランス兵も追跡に協力しているという。
地中海に面したモナコには事実上、凶悪犯罪は存在しない。人口は約4万人で、寛容な税制を理由に富裕層が集う場として知られている。

2 ヶ月前
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