(CNN) ペストを専門とするロシアの研究所で職員が死亡した問題をめぐり、ロシアの当局者が数日にわたって口を閉ざす中、トランプ米政権は明確な情報を把握できずに苦慮している。
現場はシベリアのイルクーツク州にあるペスト対策研究所。事情に詳しい複数の情報筋によると、米政権では技術職員の死亡直後から懸念が広がり、情報収集や公衆衛生上の対応策の策定が急ピッチで進められているという。
ただ、ロシア側が情報共有に消極的なことから、こうした取り組みは難航している。米当局者は、今回の事態がどこまで広くリスクをもたらす可能性があるのか、米国を守るために具体的にどういった策を講じればいいのか判断しかねている状況だ。
ルビオ米国務長官は6日、「当然ながら、ロシアはもっと多くの情報を世界と共有する責務がある」と指摘。「我々が考えていた以上に大きな問題なのかもしれない。判断がつきかねるが、情報がまだ限られていることを踏まえれば、臆測でものを言うのは無謀だと思う」と述べた。
国務省当局者によると、米当局者は早くも2日にはロシア政府と連絡を取り、国務省の保健専門家とロシア外務省の間でも接触があったという。政権当局者によると、そうした接触は今も続いており、ルビオ氏は6日、限られた情報しか共有されない状況は「今後数時間から数日のうちに変化する」と期待を示した。
トランプ大統領は6日午後、ホワイトハウス前で記者団に対し、ロシアのプーチン大統領との「電話会談が予定」されており、この問題について「近く」話す方針だと説明。「おそらく明日」には米政府機関からもっと詳しい情報を発表できるとの見通しも示した。
だが、米国がこれまでに得た協力は限定的なものにとどまっている。事情に詳しい関係者によると、ロシアから出てきたわずかな情報には強い懐疑の目が向けられており、ロシア政府が包み隠さず情報を提供しているとは確信を持てない状況だという。
ただし米当局者によると、米政権は情報収集や外交接触を通じて詳しい情報を把握するまで、感染拡大を防ぐ渡航制限などの措置は取らない方針。米国はすでに、不当拘束の可能性やウクライナとの戦争などを理由に、ロシアへの渡航を控えるよう勧告している。
未解明の重要な問いの一つは、先週死亡した研究所の職員(28)は重症だが治療可能な肺ペストに感染していたのか、それとも別の未知の感染症にかかっていたのかという点だ。ペスト対策研究所のウェブサイトによると、研究所の職員はコレラや炭疽(たんそ)、ブルセラ症など、他にも様々な危険な感染症を扱っている。
ルビオ氏らトランプ政権の当局者は表向き、米国民への差し迫った脅威は大きくないとの立場で、政権は事態を注視しており、肺ペストは抗生物質で治療できると強調している。
しかし水面下では、今なお全容がつかめない状況に対し、政権内で懸念が深まっているという。そうした懸念をさらに強めているのが、ロシア政府による対応の規模だ。ロシア東部シェレホフスキー地区の首長によると、研究所職員が治療を受けた病院では隔離措置も取られた。地元メディアは、200人近くが経過観察を受けていると報じている。

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