ベトナム、デジタル資産を銀行融資の担保に|中小企業支援法を改正へ

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この記事の要点

  • ベトナム財務省、仮想資産・知財を銀行融資担保に認める法改正案を公開
  • 固定資産を持たない中小企業にも融資の道、国会審議で制度化へ

ベトナム、仮想資産担保融資を制度化へ

2026年5月29日、ベトナム財務省がデジタル資産・仮想通貨・知的財産権を銀行融資の担保として認める制度を中小企業支援法改正案に盛り込み、パブリックコメントを開始したことが明らかになりました。

現地メディア「Vietnam News」によると、今回の改正案では、これまで融資審査で重視されてきた土地や不動産などの固定資産に加え、デジタル資産や知的財産権といった無形資産も担保対象に含める方針が示されています。

これにより、土地や建物などの固定資産を持たない企業にも、銀行融資を利用できる機会が広がる見通しです。

ベトナムでは中小企業・家族経営企業が全企業の98%超を占める一方、銀行融資全体に占める融資残高は約20%にとどまっており、担保不足による信用格差が長年の課題とされてきました。

財務省は担保対象資産の拡大を通じて、民間企業の資金アクセス改善と経済成長の後押しを図る方針を打ち出しています。

融資審査を抜本改革、仮想資産も担保に

デジタル資産・知財が担保の対象へ

報道によれば、改正案では、担保として認められる資産の範囲を「将来形成される財産、財産権、知的財産権、無形資産、デジタル資産、仮想資産(仮想通貨を含むデジタル資産の総称)、その他ベトナム法に基づく合法的資産」まで拡大する方針が示されています。

従来は土地や建物などの固定資産が融資審査の中心となっていましたが、新制度ではソフトウェアや知的財産権などの無形資産も評価対象に含まれる見込みであり、これまで担保不足によって融資を受けにくかった企業にも資金調達の道が開かれる見通しです。

あわせて金融機関に対しては、固定資産担保への依存を見直し、信用格付けや事業計画、市場拡大の可能性、キャッシュフローなどを重視した融資判断を拡充するよう促す条項も盛り込まれています。

中小企業の98%が抱える資金調達課題

今回の見直しの背景には、中小企業による銀行融資の利用が伸び悩んでいる現状があります。ベトナムでは中小企業と家族経営企業が全企業の98%超を占める一方、銀行融資全体に占める融資残高は約20%にとどまっています。

財務省が改正案で示したデータによると、2026年4月末時点の中小企業向け融資残高は約3京8,000兆ドン(約231.8兆円)となっており、企業数の割合に比べて融資の利用は限定的な状況が続いています。

財務省はその要因として、適格担保の不足や財務情報の透明性の低さ、資本規模の小ささなどを挙げていますが、なかでも担保不足が最大の障壁との認識を示しています。

既存のSME向け信用保証基金やSME開発基金についても、財務省は「期待されるほど効果的に機能していない」と認めており、今回の改正案では担保制度そのものの見直しにも踏み込んでいます。

低利融資・税優遇でグリーンDXを後押し

報道によると、改正案では担保制度の見直しに加え、持続可能な開発プロジェクトに取り組む企業への支援策も盛り込まれています。信用保証への優先アクセスや低利融資に加え、グリーンプロジェクト向けの金利支援も対象となります。

環境保護活動に対する税制優遇や省エネ設備の加速減価償却、デジタル転換支援も対象となっており、ESG基準への適合支援や認証取得支援、サステナビリティ報告書の作成支援なども実施される予定です。

これらの施策は政治局の「決議68-NQ/TW」が掲げる民間経済活性化方針と連動しており、資金調達支援に加え、環境対応やデジタル転換支援も盛り込まれています。

仮想資産制度化、国会審議で具体化へ

今回の改正案はパブリックコメント段階にあり、今後は国会審議を経て制度化の可否が判断されます。担保評価の具体的な基準や適用範囲についても、審議過程で詳細が固められる見通しです。

ベトナムでは2025年に国会が仮想通貨合法化法案を承認するなど、中央銀行や財務省を中心に仮想資産関連制度の整備が進められています。

今回の改正案が成立すれば、仮想資産は法的な承認にとどまらず、銀行融資の担保としても利用可能となり、担保対象資産の範囲が大きく広がることになります。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドン=0.0061 円)

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Source:地元メディアVietnam News報道
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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