ブラックロックのBTC最大保有ETFに北朝鮮の影、OneKey創業者が警鐘

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この記事の要点

  • OneKey創業者、IBIT「81万BTC」が北朝鮮の標的と警告
  • Coinbase1社に資産集中、署名基盤の攻撃リスク指摘

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BTC最大保有ETFに迫る北朝鮮の脅威

仮想通貨ウォレットを開発するOneKey(ワンキー)の創業者イシ・ワン氏は2026年11月1日、ブラックロックのビットコイン(BTC)現物ETF「IBIT」が北朝鮮のハッカー集団に狙われている可能性があると警告しました。

ワン氏はその理由として、IBITが10月29日時点で約815,000 BTC(630億ドル/9兆9,400億円相当)を保有し、ビットコインの最大供給量2,100万BTCの約4%を占める規模に達していることを挙げています。

さらに、この巨額の資産を実質的にCoinbase(コインベース)1社が保管しているため、同社のセキュリティ基盤が侵害されれば、IBIT全体に深刻な損失が及ぶ恐れがあると指摘しました。

特にワン氏が警戒しているのは、秘密鍵をオフラインで保管していても、取引の署名・承認過程が乗っ取られることで資産が盗まれるという攻撃手法で、過去のBybit事件でも同様の問題が確認されています。

10月30日にはBinance(バイナンス)でも約63億6,000万ドル(約1兆円)相当の仮想通貨が流出しており、コインベースのジェフ・ルンローファー最高セキュリティ責任者(CSO)は事件を受け、コールドストレージの設定を予防的に調整したと明らかにしました。

こうした事件を踏まえ、ワン氏は巨額のビットコインが少数のカストディアンに集中するほどハッカーにとって魅力的な標的になると指摘し、保管体制全体のセキュリティ対策を継続的に見直す必要があると強調しています。

北朝鮮のハッカー集団は、すでにブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」を攻撃対象の候補に挙げているのではないかと考えています。(中略)

ブラックロックのIBITは世界最大のビットコインETFで、約81万5,000 BTC、約630億ドル相当を保有しています。現在もCoinbaseが主要なカストディアン(資産保管機関)を務めています。

Anchorage Digitalも追加のカストディアンに指定されていますが、直近の四半期報告書によると、現時点でビットコインを同社に移管する予定はありません。

これは、膨大な量のビットコインが一つのカストディアンに集中していることを意味します。どれほど大規模で資金力のある事業者であっても、セキュリティインフラに重大な問題が発生すれば、ファンド全体が危険にさらされる可能性があります。(後略)

Bybit・バイナンス被害が示す署名の脆弱性

Bybitから15億ドル流出、署名画面を偽装

ワン氏が警戒する攻撃手法は、2025年2月21日にBybit(バイビット)から約15億ドル(約2,367億円)相当の暗号資産が盗まれた事件でも使われており、秘密鍵をオフラインで管理するコールドウォレットが被害を受けました。

サイバーセキュリティ企業Sygnia(シグニア)の調査報告によると、攻撃者は取引画面を構成するJavaScriptコードを改ざんし、Bybitの署名担当者に正規の送金だと誤認させて、ウォレットの制御権を奪う不正な取引を承認させていました。

この攻撃は、マルチシグウォレット基盤を提供するSafe{Wallet}の開発者端末が2月4日に侵害されたことから始まり、翌5日には盗まれた認証情報を使って同社のAWS環境にも不正アクセスが行われたとされています。

米連邦捜査局(FBI)は2月26日、この事件を北朝鮮のハッカー集団TraderTraitor(トレイダートレイター)による犯行と発表しており、同集団は2024年5月にDMMビットコインから4,502.9 BTCが盗まれた事件への関与も特定されています。

バイナンス流出に北朝鮮関与

Bybit事件に関与したTraderTraitorは、2026年10月29日に発生したバイナンスの巨額流出事件にも関与したとみられており、ブロックチェーン分析企業TRM Labsは同集団による犯行を「高い確信」をもって指摘しています。

バイナンスの初期調査ではDevOpsエンジニアのノートPCが侵害された可能性が浮上しており、秘密鍵そのものの流出は確認されていないものの、TRM Labsは攻撃者が署名基盤を不正操作した可能性があると分析しています。

同社によると、イーサリアム上では事前に用意された50件の署名済み承認データが悪用され、約20分間で10種類のブロックチェーンから計63億6,000万ドル相当の暗号資産が流出したとされています。

ワン氏は、Bybitとバイナンスで使われたとされる攻撃手法がIBITにも通用する可能性を警戒しており、秘密鍵の保管だけでなく、取引の署名・承認過程にも重大なリスクが潜んでいると指摘しています。

IBIT保管体制の脆弱さ、保険と補償の実態

IBITの保管体制を巡っては、ブラックロックが2025年4月7日、Anchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)を追加のカストディアンに指定しました。

ただし、2026年6月末の四半期報告書ではアンカレッジへのBTC移管計画が示されておらず、コインベースへの資産集中が続いているほか、ワン氏は盗難発生時の補償にも限界があると指摘しています。

同氏によると、IBITのビットコインには個別の保険がなく、コインベースの商業犯罪保険3億2,000万ドル(約505億円)は顧客全体で共有されるうえ、カストディ契約上の賠償責任も原則としてコールドストレージのアドレスごとに1億ドル(約158億円)が上限となっています。

ワン氏は、仮にIBITから60億ドル相当のBTCが盗まれた場合、ファンド資産の約9.5%に相当する損失が発生し、十分な補償を受けられなければ最終的に株主が負担すると警告しています。

回収限界が示すBTC集中保管の根本リスク

大規模な盗難後の資産回収を巡っては、バイナンス事件でテザー・サークル・リップル・World Liberty Financialが約26億7,000万ドル相当のステーブルコインを凍結し、アービトラムでも約3,000万ドル相当の資産が凍結されたと、TRM Labsが報告しています。

それでも攻撃者の手元には約24億ドル相当のETHとBTCが残っているとされ、ワン氏は発行体による凍結機能を持たないビットコインでは、盗難資産の回収が難しいと指摘しました。

同氏は「セキュリティにゴールはない」と強調し、独立した複数のカストディ環境への資産分散や秘密鍵のオフライン保管、信頼できる別端末での取引内容の確認を通じて、保管体制全体の継続的な見直しを求めています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.78 円)

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Source:イシ・ワン氏 X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

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