
この記事の要点
- 米SCFCUが信用組合初のBTC基幹統合を実現
- 会員向けに20BTC超を保管、全会員に開放
20 BTC超を保管する信用組合の取り組み
米ミネソタ州のセントクラウド・ファイナンシャル・クレジットユニオン(SCFCU)のジェド・マイヤーCEOが、Bitcoin Magazineのインタビューに応じ、ビットコイン(BTC)を信用組合の基幹システムに直接統合した取り組みについて語りました。
Bitcoin MagazineはSCFCUを、信用組合として初めてビットコインを基幹台帳に組み込んだ事例として紹介しており、マイヤー氏は現在、会員向けに20BTC超を保管していると明らかにしています。
この基幹統合によって、会員向けウォレットでは保険対象の当座預金口座とビットコイン保管庫が並んで表示され、従来型の預金とデジタル資産を同じ金融機関内で管理できる構成となっています。
こうしたサービスを展開するSCFCUは1930年創業の信用組合で、2025年の年次報告では会員数2万8,066人、資産規模約4億3,000万ドル(約680億円)に達しています。
富裕層10万人、資産の半分超がBTC
規制審査を経てBTC保管が全会員に
ETFとは違う「BTCの個別保管」
マイヤー氏はビットコインETF(上場投資信託)について、価格へのエクスポージャーを得る商品である一方、利用者が実際のビットコインを直接所有する形ではないと述べ、SCFCUの保管モデルとの違いを説明しました。
SCFCUが採用する「MIDAS© Hybrid Custody」はDaLand CUSOが開発した特許出願中の技術で、会員ごとに個別のビットコインを割り当て、マルチシグ方式で保管する設計となっています。
同氏によると、保管資産は信用組合の資産から切り離したオフバランスシート形式で管理され、会員が所有権を保持したまま、SCFCUが単独でビットコインを動かせない構成が採用されました。
SCFCUはこの保管モデルを含むシステムについて、全米信用組合管理局(NCUA)やミネソタ州商務省と約4年半にわたって協議を重ねてきたとマイヤー氏は説明しています。
前例なき審査を経て保管量20 BTC超に
2025年後半にはNCUAによる監査を受けており、マイヤー氏は金融機関の基幹システムにビットコインが統合された状態を審査官が確認するのは前例がなかったと振り返りました。
その後、SCFCUは2025年12月に関係者向けの試験運用を開始し、デジタル資産保管サービス「CU-Digital Asset Vault
」を2026年2月9日時点で対象会員向けに提供した後、3月には全会員へ対象を広げています。
サービス拡大後は保管実績も増えており、2026年5月時点で約15BTCと50〜75件の保管庫が稼働中と報告され、10月のインタビューでは保管量が20BTCを超えたことが明らかになりました。
マイヤー氏は本格的なマーケティングをまだ開始していないとしたうえで、今後1年間で保管規模が約4倍に拡大する可能性があるとの見方を示しています。
技術基盤Coin2Core®と信用組合の参画
SCFCUがビットコイン保管や今後の機能拡張に使う「Coin2Core®」は、同組合を含む複数の信用組合が所有するフィンテック企業DaLand CUSOが開発しています。
2025年3月には資産45億ドル(約7,110億円)規模のブレイズ信用組合が第2位株主として参画し、2026年1月にはキャンバス信用組合もオーナーに加わりました。
Coin2Core®はCorelation KeyStone、Fiserv DNA、Jack Henry Symitarの3種類の基幹システムとの接続実績があり、ビットコインに加えてイーサリアム(ETH)やUSDコイン(USDC)などのネットワークにも接続されています。
独自ステーブルコインからLNへ発展
SCFCUはこうした接続基盤を利用し、2025年後半に独自ステーブルコイン「Cloud Dollar($CLDUSD)」を導入しました。
同資産はMetallicusとDaLand CUSOが協力して開発し、Coin2Core®経由で基幹システムに接続する構成が発表されています。
マイヤー氏はUSDCとの接続も完了したと説明しており、今後は2027年中のビットコイン・ライトニングネットワーク提供に加え、基幹システムを通じた直接売買機能の追加も予定しています。
初の大型ビットコイン広告を開始
ミネソタ州で仮想通貨カストディ法が施行
SCFCUがビットコイン保管サービスを先行して運用するなか、ミネソタ州では2026年5月14日にティム・ウォルツ知事が下院法案HF 3709を承認し、州認可の銀行と信用組合による暗号資産カストディ業務を法的に認める制度が成立しました。
同法は2026年8月1日に施行され、参入する金融機関にはリスク管理や内部統制、サイバーセキュリティに関する方針整備と、開始60日前までの州商務省への書面通知が求められています。
制度面の整備と並行して、DaLand CUSOは2026年8月に信用組合向け研究開発組織「Circuit」との協業を実装段階へ移し、参加する信用組合がCoin2Core®やCODE Engine®を実環境で検証できるプログラムを開始しています。
SCFCUによる先行運用に加え、州法の施行とCircuitでの実装プログラムが重なり、信用組合によるデジタル資産サービスは個別事例から業界内での検証段階へ広がっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.45 円)
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Source:Bitcoin Magazineインタビュー
サムネイル:AIによる生成画像

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