パスポート手数料、7月から大幅改定。10年用は8900円で7000円減額。深刻な“海外離れ”は解消できる?

4 ヶ月前 34

パスポートの申請手数料が、7月1日から大幅に改定される。これに関連する改正旅券法が4月24日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。

今回の改正により、取得コストは現行から大幅に引き下げられる。円安や物価高の影響で海外渡航のハードルが上がるなか、政府は手数料を下げることで、日本人のパスポート保有率向上と若者の海外経験を後押ししたい考えだ。

10年用は7000円減額、成人は「10年」に一本化

今回の改定で最も大きな変更点は、18歳以上の成人が申請する「10年用」の手数料だ。マイナポータル等でのオンライン申請を利用した場合、現行の15900円から、7月以降は8900円へと引き下げられ金額にして7000円の減額となる。

なお、今回の改正に伴い「18歳以上の5年用」は廃止され、成人の新規取得・更新は10年用へと一本化される。

▪️7月からの価格変更(オンライン申請時)

・18歳以上(10年):8900円(現行15900円から7000円減額)

・12歳〜17歳(5年):4400円(現行10900円から6500円減額)

・12歳未満(5年):4400円(現行5900円から1500円減額)

・出国税(1回あたり):3000円(現行1000円から2000円増額)

※窓口申請の場合は、上記の手数料にそれぞれ400円が加算される。

背景には「パスポート保有率18.9%」への危機感

大幅な値下げに踏み切った背景には、日本人のパスポート保有率の低迷がある。 外務省によると、2025年の国内の有効一般旅券数はおよそ2193万冊で、保有率は18.9%程度にとどまる。日本旅行業協会(JATA)によると、2023年のパスポート保有率はアメリカが約5割、台湾が約6割、韓国は約4割で、日本との差は顕著だ。

政府は取得時のハードルを低くすることで、特に若年層の海外経験を促したい考えだ。茂木敏充外相は24日の会見で「若者層をはじめとする国際交流の促進につながることを期待している」と述べた。

手数料が安くなるも、“円安”の影響は根強く

今回の制度変更は、パスポート取得時の「初期費用」を抑え、その分を渡航時の負担へ振り分けられるメリットがある。現在失効している場合や更新を控えているなら、急ぎの予定がない限り、7月の施行を待って申請するのがおすすめだ。

出国税の増額により1回あたりの渡航コストは2000円の増額となるが、10年間のうち3回程度の海外旅行であれば、トータルの支出は以前よりも抑えられる。

一方で、外国為替市場では1ドル=160円に迫る歴史的な円安が続いており、航空券や現地での滞在費はかつてないほど膨らんでいる。JTBの調査でも、海外旅行に行かない理由として「円安」を挙げる声は多い。今回の改正が、長期化する「海外離れ」を解消するきっかけになるかが注目される。 

記事全体を読む