(CNN) ハンタウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「MVホンディウス号」が現地時間の10日、乗客乗員147人を乗せてスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島に到着した。スペイン保健当局によると、初日は19カ国の乗客ら94人が同船から退避した。
乗客らは港に停泊したクルーズ船から小型ボートで島に上陸し、待機していたバスで空港へ向かってそれぞれの国へ帰国。スペイン保健相によると、下船が始まる前に医療チームがクルーズ船に乗り込んで乗客と乗員の検査を行った。
停泊したクルーズ船から下船し、ボートで港に向かう乗客ら/Reuters
MVホンディウス号は4月に南米アルゼンチンを出航後、ハンタウイルスに関連して3人が死亡。ほか数人が治療のため同船から退避した。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長はハンタウイルスについて、「新型コロナウイルスの再来ではない」と述べ、公衆にとってのリスクは依然として低いと強調した。
米保健福祉省も9日、現時点で一般国民にとってのリスクは「極めて低い」との見方を示している。
米国やスペイン、フランス、カナダ、アイルランド、オランダなどは、航空機を使って乗船者をそれぞれの国に退避させた。
スペイン保健省によると、11日には残る乗客を退避させる航空機がオーストラリアとオランダに向けて出発する。
ツアー会社によると、MVホンディウス号は残る乗員を乗せてオランダのロッテルダムへ向かう予定で、航海は約5日間を見込んでいる。乗員が下船した後は船内の消毒を行う。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国に向かう乗客18人(英国籍の在住者1人を含む)は国立の隔離施設があるネブラスカ大学医療センターに運ばれる。いずれの乗客にも症状は出ていないという。
クルーズ船から退避した米国人らを乗せカナリア諸島から飛び立つ航空機/Reuters
同施設で診察を受けた後は、自宅で42日間の経過観察に移る予定で、少なくとも1日1回の診断を行う。
フランスのセバスティアン・ルコルニュ首相は、10日にテネリフェ島から帰国したフランス国籍の5人のうち、1人が帰国便の機内でハンタウイルスの症状を発症したと発表。これを受けて、5人については直ちに厳格な隔離措置を講じたとX(旧ツイッター)に書き込んだ。
スペイン国籍の乗客14人は航空機で10日午後、首都マドリード東部にある軍の空港に到着した。保健省によると、軍の病院の個室に滞在して面会は禁止し、到着時と7日後にPCR検査を受ける。
カナリア諸島の住民はクルーズ船の入港に対して反発を強めており、テネリフェ島の港湾労働者は抗議運動を行っていた。

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