トークン化資産の規制に国際共通基盤、IMF・JPモルガンらが設計に参画

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この記事の要点

  • GL1が規制設計の白書を公表、IMF・JPモルガンも策定に参画
  • 規制とトークンを分離し制度変更に柔軟対応、国際取引の基盤整備へ

GL1、トークン化資産の規制設計を公開

GL1(グローバル・レイヤー・ワン)構想は2026年6月、トークン化資産市場における規制対応の共通基盤を目指すホワイトペーパー「プログラマブルコンプライアンス」を公表しました。

文書の策定には、IMF(国際通貨基金)やフランス銀行、シンガポール金融管理局(MAS)のほか、JPモルガンのデジタル資産部門Kinexys(キネクシス)やスタンダードチャータード銀行も加わっており、機関投資家向けのトークン化資産インフラ整備を見据えた国際的な取り組みとして位置付けられています。

今回提示された設計の中核には、コンプライアンスのルールと資産・取引の実行ロジックを分離する考え方が据えられ、規制要件とシステム機能を独立して管理できる仕組みが採用されています。

こうした構造により、規制や監督上の要件が変更された場合でもトークン自体を再発行する必要がなく、ポリシーの更新だけで新たなルールへ対応できる設計となっており、法域をまたぐトークン化資産取引への適用も想定されています。

従来方式の限界とGL1のSTAR枠組み

トークン直接組み込み方式が抱える課題

ホワイトペーパーによると、これまでのトークン化資産ではコンプライアンス機能をトークンへ直接組み込むケースが多く、規制変更のたびにシステム改修が必要になる課題を抱えていました。

また、国や事業者ごとに異なるルールを反映しにくく、資産が別の管轄へ移動する際の相互運用性にも制約があったと説明しています。

FATF(金融活動作業部会)が2024年に公表した集計でも、勧告15に完全適合した法域は評価対象のうち1つにとどまっており、国際的な制度整備の遅れが浮き彫りになっています。

トークン再発行不要の規制更新モデル

こうした課題に対応するため、GL1はコンプライアンス要件を「STAR」と呼ばれる4つの領域に整理し、資産そのものとは切り離して管理する仕組みを提案しました。

対象となるのは参加資格(Status)、資金移動(Transaction)、資産管理(Asset)、記録・監査(Reporting)の4分野で、規制変更があった場合でもルール側を更新することで対応できる設計となっています。

区分 対象 主なコンプライアンス活動(例)
Status 参加資格 顧客確認(KYC/KYB)、制裁リスト照合、投資家適格性の確認
Transaction 資金の移動 しきい値・速度制限、トラベルルール情報の交換、送金経路ごとの制限
Asset 資産の状態 償還・発行などの管理操作、資産の凍結や強制移転
Reporting 記録・監査 疑わしい取引の報告、税務報告、監査証跡の保持

ホワイトペーパーでは、規制ルールを資産そのものから切り離して管理することで、制度変更への対応や国境をまたぐ取引を進めやすくなるとしています。

トークン化資産市場の拡大と標準化の必要性

こうした仕組みが提案された背景には、トークン化資産市場そのものの拡大があります。

近年は米国債やマネーマーケットファンドなどの金融商品がブロックチェーン上で発行される事例が増えており、伝統的な金融機関や証券取引所も参入を進めています。

一方で、国境をまたぐ取引では投資家適格性の確認方法や報告義務、トラベルルールの運用などが国ごとに異なり、同じ資産でも利用できる地域や参加者が制限されるケースがあります。

ホワイトペーパーは、こうした違いを個別対応で処理し続けることは難しく、共通ルールや標準化された仕組みがなければ市場の拡大を妨げる可能性があると指摘しています。

GL1構想は今回の設計を業界共通の標準へ発展させることで、機関投資家が利用しやすいトークン化資産市場の基盤整備を進める方針を示しており、各国で異なる規制義務との整合が今後の課題になるとみられています。

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Source:GL1ホワイトペーパー
サムネイル:AIによる生成画像

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