(CNN) トランプ米大統領は28日、元雑誌コラムニストのジーン・キャロル氏の名誉を毀損(きそん)したとして8330万ドル(約136億円)を支払うよう陪審団が下した評決をめぐり、大統領には訴訟からの免責特権があるとして連邦最高裁に上告した。
この上告は、在職中の行為について大統領に広範な免責特権を認めた最高裁の2024年の判断に大きく依拠している。
CNNが確認した訴状の写しによると、トランプ氏の弁護団は最高裁に対し、「在職中の行為について裁判所が大統領に損害賠償責任を負わせたのは、わが国史上でこの訴訟が初めてだ」と主張した。「しかし第2巡回区連邦控訴裁判所は、今回の法外な8330万ドルの名誉毀損賠償を支持するにあたり、大統領の免責特権が適用されるかどうかさえ判断しなかった」
トランプ氏は判事らに対し、キャロル氏に有利な控訴裁の判断は「現大統領や将来の大統領だけでなく」、国にも「重大な損害をもたらす」と訴えた。
トランプ氏は、この訴訟から免責されるとの可能性を示したほか、大統領ではなく米国政府を被告とすべきかどうかについても審理するよう最高裁に求めている。
トランプ氏の弁護団は最高裁に対し、「米国大統領は、ホワイトハウスから報道発表を出し、記者の質問に答えて、自身が大統領職にふさわしいかどうかを巡る攻撃に反論したことを理由に1億ドル近い損害賠償支払いを命じられた」と主張した。
キャロル氏の弁護団はコメントを控えた。
最高裁は数週間前、トランプ氏が上告した別の案件の審理を退けていた。トランプ氏は1990年代に高級百貨店でキャロル氏に性的暴行を加え、その後、名誉を毀損したと認定し500万ドルの支払いを命じた民事訴訟での評決を覆すよう求めていた。
トランプ氏はいずれの訴訟でも不正行為を否定している。
今回の上告は、トランプ氏が大統領1期目だった2019年にキャロル氏について行った発言を巡るもの。陪審は発言が名誉毀損に当たると認定し、トランプ氏に8300万ドルの損害賠償を命じた。連邦控訴裁の合議体は、この賠償額について「異例かつ悪質な事実に照らせば妥当」と判断して支持し、トランプ氏による複数の法的異議を退けた。その中で控訴裁は、トランプ氏が大統領の免責特権を主張する権利を以前に放棄していたとし、大統領の免責特権を巡る24年の最高裁判断によって見解が変わることはないとした。
最高裁は夏の間、休廷するため、トランプ氏の上告は秋に検討される。最高裁が審理に同意した場合でも、判断が示されるのは来年6月になる可能性が高い。
キャロル氏は、トランプ氏が19年に暴行を否定し、キャロル氏は自分の好みのタイプではないと述べたうえ、本の売り上げを伸ばすために話をでっち上げたと主張したことで、名誉が毀損されたと訴えている。

4 時間前
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