スイ開発元ミステン、AI検証「VAA」をGoogle Cloudと共同開発

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この記事の要点

  • ミステンラボがGoogle Cloudと検証基盤「VAA」を発表
  • AIエージェントの行動記録を企業間で第三者検証可能に

AIエージェント検証基盤「VAA」を発表

ブロックチェーン「スイ(Sui)」の開発元であるMysten Labs(ミステンラボ)は2026年10月6日、Google Cloud(グーグルクラウド)と共同開発するAIエージェント向け証拠レイヤー「Verifiable Agent Arbiter(VAA)」を発表しました。

VAAは、AIエージェントが企業間の取引や金融・法的な結果を伴う判断を担う中で、与えられた権限の範囲内で行動したことを第三者が検証できる記録として残すことを目的としています。

発表によれば、企業はVAAを通じて、エージェントに与えた権限、実際の行動、その結果を取引相手や監査人、規制当局に示せるようになるといいます。

記録の詳細データは顧客が管理するGoogle Cloud Storageに非公開で保持し、その完全性を示す暗号学的証明を分散型データプラットフォーム「Walrus(ウォルラス)」に保存して、Sui上で処理を調整する構成となっています。

VAAは一般提供に先立って企業顧客への初期導入が予定されており、開始時期や導入企業は記事執筆時点で明らかにされていません。

企業間AIの行動記録をVAAで検証

企業をまたぐAI取引に共通検証レイヤー

ミステンラボは、異なる企業に属するAIエージェント同士が取引する場合、一方の企業が保有する内部ログだけでは、取引相手や監査人が記録を独立して検証しにくいとの課題を挙げました。

VAAでは、この課題に対応するため、異なるAIエージェント間の通信・連携を可能にするオープン規格「Agent2Agent(A2A)」を介した取引について、双方が共通の検証可能な記録を参照できるようにするとしています。

A2AはGoogleが開発した規格で、2025年6月には仕様やSDK、開発ツールがLinux Foundationへ移管されました。

ミステンラボによると、A2Aを通じた取引では、何が約束され、何が提供され、どの段階で問題が生じたかを双方が照合できる記録を残す方針です。

インシデント時、行動履歴を再構築可能

こうした取引記録は、企業間で紛争が起きた場合だけでなく、AIエージェントの動作にセキュリティ上の問題が生じた際の検証にも使う想定です。

発表によれば、VAAでは問題発生前後の指示、ポリシー、判断、出力、ツール操作を記録から再構築し、インシデントに至った経緯を確認できるようにするとしています。

同社は、この記録を基にプロンプトインジェクション攻撃、ポリシー違反、モデル障害、事後的なログ変更などを区別できると説明しました。

保存された証拠については、耐量子暗号を含む将来の暗号標準で再証明できるようにし、時間が経過した後も元の記録とのつながりを維持する方針を示しています。

スイ決済と連携、支払い記録も検証可能に

ミステンラボは、こうした検証記録の対象をAIエージェントによる決済まで広げるため、VAAを決済基盤「Sui Agent Payments」と直接接続する計画も明らかにしました。

Sui Agent Paymentsでは、AIエージェントがサービスを発見し、機械間決済向けプロトコル「x402」を通じてAPI利用料を即時決済する仕組みが採られています。

VAAでは、この一連の決済について、エージェントに与えられた権限、支出判断、サービス提供までを暗号学的に記録し、最終的な支払い結果に至る経緯も検証対象に含めるとしています。

ミステンラボの共同創設者兼CEOであるエヴァン・チェン氏は、エージェントに何が許可され、実際に何を行い、どのような結果が生じたかを記録し、その証明をSuiとWalrusに固定すると説明しています。

AI決済基盤が相次ぎ登場、VAAは検証へ

AIエージェントによる自律決済を巡っては、Linux Foundation傘下でx402の標準化を担う「x402 Foundation」が2026年7月に正式稼働し、GoogleやVisa、リップルなどが参加するAI決済標準の整備が進んでいます。

ソラナ財団も2026年5月、Google Cloudとの協力でAIエージェント向けAPI決済サービス「Pay.sh」を発表しており、AIエージェントがサービスの利用から支払いまでを自律的に行うための基盤が相次いで登場しました。

こうした決済基盤が取引の実行を担うのに対し、ミステンラボはVAAを、AIエージェントの行動や判断を事後に検証する証拠レイヤーとして位置づけています。

VAAは一般提供に先立って企業顧客への初期導入が予定されており、決済機能だけでなく、その前後の行動を第三者が検証できる仕組みを企業向けに提供する計画です。

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Source:Mysten Labs公式ブログ
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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