「クラリティ法案改訂版」公開|倫理規定追加で与野党協議が加速

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この記事の要点

  • ルミス議員がCLARITY法案改訂版を公開、公職者の仮想通貨発行禁止を追加
  • 上院採決へ与野党協議が続き、仮想通貨規制の行方に注目集まる

CLARITY法案の改訂版テキスト公開

米上院のシンシア・ルミス議員(共和・ワイオミング州)は2026年7月22日、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」の最新改訂版を公開しました。

今回公開された全616ページの法案テキストでは、大統領・副大統領・連邦議会議員・連邦判事とその配偶者を対象に、在職中の仮想通貨(暗号資産)の発行やスポンサー行為を禁じる倫理規定が新たに盛り込まれました。

この倫理規定は、民主党側が法案への賛成条件として求めてきた重要な論点の一つで、上院では可決に必要な60票の確保に向けた与野党協議が続いています。

ルミス議員は声明で、民主党議員による重要な貢献に謝意を示したうえで、数日以内の合意を目指し、法案成立に向けて全力を尽くす考えを示しました。

倫理規定の対象者・禁止行為・例外を整理

大統領から連邦判事まで、配偶者も発行禁止に

今回追加された倫理規定では、対象となる公職者とその配偶者が、対価を得て仮想通貨を発行する行為や、自身の名前・肖像・公職の地位を利用して特定銘柄の創設や販売促進に関わる「スポンサー行為」を禁止する規定が新たに設けられました。

一方で、仮想通貨を投資目的で保有すること自体は禁止されておらず、法案テキストの§13152(f)(8)では、財務開示や利益相反に関する要件を満たすことを条件に投資目的での保有を認める方針が示されています。

就任前から保有していた関連資産についても、適格ブラインドトラスト(内容を本人が関知しない信託)への移管や売却を行えば違反に問われない移行措置が盛り込まれました。

禁止規定の対象は公職者本人とその配偶者に限られており、公職者の子どもを含むその他の親族は適用対象からは除外されます。

そのため、トランプ大統領の息子であるドナルド・トランプ・ジュニア氏とエリック・トランプ氏が主導するDeFi(分散型金融)事業「World Liberty Financial」は現行案の規制対象には含まれず、両氏はこれまで同事業を主導してきたと報じられています。

一方で、エリザベス・ウォーレン上院議員は、大統領や連邦議会議員だけでなく、その家族も仮想通貨事業から利益を得られないようにすべきだと書簡で主張しており、対象範囲をどこまで広げるべきかは今後も議論が続く見通しです。

2029年1月失効、執行は司法長官に限定

法案では、倫理規定の執行権限を連邦司法長官(Attorney General)による民事訴訟に限定しており、州の司法長官や民間の当事者は訴訟を提起できない設計となっています。

違反した公職者には、得た利益の全額を国庫へ納付するほか、受け取った対価の10%または50万ドル(約8,150万円)のいずれか低い方を上限とする民事制裁金が科されます。

違反銘柄と知りながら取り扱いを続けた取引仲介業者にも、1違反・1日あたり最大25万ドル(約4,075万円)の制裁金が定められており、取引所にも適切な上場管理が求められています。

ただし、この倫理規定は恒久的な制度ではなく、法案テキストの§30105では「2029年1月20日正午をもって効力を失う」と定められており、現在の大統領任期の満了にあわせて失効する設計となっています。

さらに、失効日前に行われた行為についても、失効後は罰則や没収などの法的責任を問わないことが同じ§30105に明記されています。

ステーブルコイン利回り禁止の条項も維持

今回の改訂版では倫理規定以外の主要項目に大きな変更はなく、法案に盛り込まれた「ブロックチェーン規制確実性法(BRCA)」についても、5月の上院銀行委員会通過時の内容が維持されていると報じられています。

この規定は、ユーザー資産を預からない非カストディ型のソフトウェア開発者を「マネー・トランスミッター(送金業者)」として規制対象にしないことを法的に明確化する条項にあたります。

一方で、犯罪収益と知りながら他人のために資金を移転した場合の連邦刑事責任は維持されており、開発者の保護と不正利用への対応を両立する内容となっています。

ルミス議員は以前から、この規定がなければコードを公開しただけのソフトウェア開発者まで訴追対象になりかねないと警鐘を鳴らしており、規定が維持されたことで、非カストディ開発者を規制対象から除外する考え方が引き継がれました。

ステーブルコインの利回りをめぐる規定にも変更はなく、事業者が保有残高だけを理由に利回りを支払うことを禁じる§10404の条項も維持されています。

コインベースCEO「採決の準備は整った」

今回公開された修正版CLARITY法案について、Coinbase(コインベース)のブライアン・アームストロングCEOは「CLARITY法案は上院本会議での採決に向けた準備が整っている」と述べ、両党が数千時間を費やして取りまとめた超党派の妥協案だと強調しました。

この投稿は、支持団体Stand With Crypto(スタンド・ウィズ・クリプト)も共有しており、支持者から連邦議会への働きかけが95万件を超えたことを明らかにするとともに、法案の早期採決を求める活動を継続しています。

CLARITY法案は2025年7月に米下院を294対134の賛成多数で通過した後、2026年5月14日には上院銀行委員会も15対9で通過しており、現在は上院本会議での採決を待つ段階に入っています。

米上院は8月7日に夏季休会入りを予定しているため、残された約2週間で民主党との合意形成を進め、本会議での採決日程を確保できるかが焦点となります。

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Source:ルミス上院議員公式サイト / CLARITY法案テキスト
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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