(CNN) スペイン・バルセロナにそびえる最大の名所「サグラダ・ファミリア」で知られる建築家アントニ・ガウディは、列車にはねられて1926年に死亡した。居合わせた人たちから物乞いと勘違いされ、すぐに手当てを受けられなかった。
その死からちょうど100年目にあたる10日、ローマ教皇レオ14世が同地を訪れ、「イエス・キリストの塔」の完成を記念するミサを行った。これでサグラダ・ファミリアは世界一高い教会になる。
ガウディは、自身の代表作が未完になることを知りながら死亡した。イエスの塔の祝福は、144年の歳月をかけて建設されたサグラダ・ファミリア大聖堂の完成に向けた記念すべき大きな一歩となる。大聖堂を訪れる年間数百万人の信者や観光客は、スペイン人よりも米国人の方が多いという。

サグラダ・ファミリアでのミサに到着した教皇レオ14世がスペインのフェリペ国王とあいさつする様子=6月10日、バルセロナ/Kike Rincón/Europa Press/Pool/AP

教皇の到着時に手を振ったり、写真を撮ったりする信者たち/Ander Gillenea/AFP/Getty Images

聖職者たちがミサに先立ちサグラダ・ファミリア大聖堂に入場する様子=6月10日/Yara Nardi/Reuters
記念ミサにはスペイン国王フェリペ6世夫妻をはじめ、数千人が参列した。レオ14世は「サグラダ・ファミリアは今もなお、建設途上の作品であり続けている」「未完であることは欠陥ではない。それは希求の証しであり、不足ではなく、私たちが守り続けたいと願う約束を表している」と語った。
国王夫妻の出迎えを受けてサグラダ・ファミリアに到着した教皇は、地下の礼拝堂にあるガウディの墓に参拝。ミサの後は教会の頂点にそびえる新しい塔を祝福した。イエスの塔については、バレンティーナという目の不自由な少女が点字の模型を使って説明した。
祝福を終えると大聖堂とイエスの塔がライトアップされて花火が上がり、ドローンで描くガウディの肖像画が夜空に浮かび上がった。
記念式典で花火やドローンがサグラダ・ファミリアを照らす様子/RTVE
説教の中でレオ14世は、ガウディを「信仰によってひらめきを与えられた建築家」としてたたえ、サグラダ・ファミリアの建築を「精神の巡礼」と形容した。ローマ教皇庁はガウディを聖人に列する準備を進めており、昨年4月には「尊者」に認定している。
レオ14世はさらに、「イエスを信じながら戦争を助長することはできない。イエスを信じながら罪のない人々を殺すことはできない。イエスを信じながら、苦しむ人々、嘆く人々、悲惨さから逃れる人々を見捨てることはできない」と信者らに語りかけた。
レオ14世は米国とイスラエルのイランに対する戦争を強く批判しており、宗教的な文言を使って戦争を正当化しようとする世界の指導者を非難するとともに、米政権による強硬な移民取り締まりに対しても反対の声を上げている。
サグラダ・ファミリアの建設はかつてスペインの内戦に阻まれ、ガウディが予算を超過して自身の設計に関する妥協を拒んだこともあり、資金不足にも見舞われた。

式典で「イエス・キリストの塔」を祝福する教皇レオ14世=6月10日/Stefano Rellandini/AFP/Getty Images
スペインの内戦が始まった1936年7月、反教権主義のアナーキスト集団がサグラダ・ファミリアを襲撃。地下礼拝堂とガウディの工房が放火され、設計図などが喪失した。失われた情報はガウディの協力者らが再現し、後の世代の建築家たちの助けになった。主任建築家ジョルディ・ファウリ氏によると、ガウディが後継者に伝えた設計理念は、デジタルモデリングソフトウェアや3D印刷、産業用ロボットに支えられている。

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