(CNN) 米ペンシルベニア州保健局は25日、同地で発生したはしかの流行に関連して2人が死亡したと発表した。州内で今年に入って確認された症例は約400例に上る。死亡した2人はワクチンを接種していなかった。
米国ではしかに関連する死者が出たのは今年初めて。ペンシルベニア州では35年ぶりだった。
ペンシルベニア州のデブラ・ボーゲン保健局長は、「MMR(風しん、はしか、おたふくかぜ)ワクチンが安全で、はしかに対する最善の予防策だということを認識してほしい」と強調した。
米国ではロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官の下、MMRワクチンを含めた予防接種の推奨方針を大幅に見直す動きが進み、全米で接種率が低下している。
ケネディ氏は反ワクチン団体を率いていた2021年、ペンシルベニア州ランカスター郡を訪問した際に、ワクチンへの不安をあおるような発言をしていた。
ケネディ長官は25日、ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事に電話して、はしか対応を支援するため連邦職員を派遣すると申し出た。これに対してシャピロ知事は、州だけで対応可能だと判断して申し出を断ったと説明。さらに、ケネディ氏がワクチンに関して広めた偽情報が悪影響を及ぼしていると伝えたことを明らかにした。
シャピロ知事は記者会見で、「陰謀論や偽情報の共有は、公衆衛生の取り組みの助けにはならない。人々の健康や安全を低下させ、子どもたちを守るという我々の仕事が困難な状況に親を追い込んでしまう」と強調した。
米疾病対策センター(CDC)も、「MMRワクチンははしかに対する予防効果が最も高く、感染拡大を防ぐ助けになる」とSNSに投稿した。
ペンシルベニア州で死亡した2人はいずれもランカスター郡の住民だった。
ボーゲン保健局長の25日の記者会見によると、はしかの症例は26年に入り、州内の28郡で393例確認された。およそ半分はランカスター郡の症例だった。
州内で今年に入って確認された症例の約20%は入院を必要とした。保健局が確認した症例の中に、推奨に従って2回のMMRワクチン接種を受けていた人は1人もいなかったとボーゲン局長は言い添えた。
はしかは今年、米国で記録的な流行の再燃が続いている。26年の症例数は1991年以降で最多の2700例を超え、昨年の記録を更新した。
米国は2000年にはしかの根絶を宣言したが、過去1年半で確認された症例数は、それまでの25年間の合計を上回った。
はしかは感染力が非常に強く、感染者の呼吸やせき、くしゃみを通じて拡散する。感染者がその場を離れても、ウイルスは空気中や物の表面に最大2時間とどまって、感染力を保ち続ける。
感染すると、肺炎や脳の腫れといった重い症状を引き起こすこともある。死亡はまれだが、1000人あたり1~3人の割合で起こり得る。
「特に幼児や妊婦、高齢者にとってどれだけ深刻かということを、みんなが忘れている」とボーゲン局長は危機感を示した。
米国では昨年、数十年ぶりに、はしかによる死者が出た。この中にはワクチンを接種していなかったテキサス州の子ども2人が含まれていた。

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