11月に患者が増える感染症。それが、ダニの一種「ツツガムシ」が媒介する「つつが虫病」です。
ツツガムシは山の中だけでなく、市街地の草むらなどにも生息していると、関係機関も注意を呼びかけています。過去には東京23区内で感染が疑われた例もあります。
刺されてから1〜2週間ほどで高熱が出ることがあり、患者が死亡する事例も報告されています。
刺された部分には特有の「刺し口」ができるといい、早めに気づくことが大切です。
かつては「死の風土病」
「かつて『死の風土病』と恐れられていた」ーー。
1985年12月、参議院に提出された「ツツガムシ病対策に関する質問主意書」には、こう書かれています。
主意書によると、この年は全国で患者が急増。5人が死亡し、患者は1000人を突破する勢いだったといいます。
それから約40年。今も、つつが虫病の患者が死亡した例が報告されています。
秋田県は2019年5月、青森県は2023年6月に、いずれも80代の女性が亡くなったと発表しました。
被害は地方だけではありません。東京23区内で感染したとみられるケースもあります。
東京都によると、大田区の当時33歳だった男性が2010年11月、発熱と頭痛を訴えて近くの医療機関を受診しました。
インフルエンザの検査は陰性。髄膜炎が疑われて入院し、いったん回復しましたが、夜間に38℃の発熱が続くなどし、検査でつつが虫病への感染がわかったといいます。

東京都
刺された跡は“隠れた部分”に。40℃の高熱も
厚生労働省によると、つつが虫病は、病原体「つつが虫病リケッチア」を持つツツガムシに刺されることで感染します。
潜伏期間は5〜14日で、全身のだるさや食欲不振とともに、頭痛や悪寒、発熱などの症状が出ます。
熱は段階的に上がり、数日で40℃に達することも。このほか、感染した際の特徴は、次の通りです。
①刺し口は、皮膚の柔らかい、隠れた部分に多い
②刺し口の近くのリンパ節が、発熱の前ごろから次第に腫れる
③発病から3〜4日目ごろに発疹が出る(顔や胴体に多く、手足には少ない)
重症化すると、肺炎や脳炎の症状が出ることがありますが、適切に治療すれば症状は劇的に改善するとされています。
11〜12月にピーク。刺された跡はどんな見た目?
国立感染症研究所(現・国立健康危機管理研究機構)の報告によると、全国の報告数には「5〜6月」と「11〜12月」の2つのピークがあります。
ピークの時期は、病気を媒介するツツガムシの種類によって違うといい、「タテツツガムシ」は秋から初冬、「フトゲツツガムシ」は春先に報告が増えるとしています。
新潟県も、県内では「特に5〜7月、10〜11月に多く発生します」と周知しています。
同保健所は、刺された部分にできる特有の「刺し口」の写真を公開しています。
写真の刺し口は、中心が黒っぽいかさぶたのようになっていて、その周りが赤く腫れています。発疹の写真では、皮膚の広い範囲に小さな赤い斑点が散らばっています。
同保健所は、「河川、山林、草地でレジャーや農作業を行う際は、ツツガムシに刺されないように十分気をつけてください」と注意を呼びかけています。

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